憲法一四条違反をいう論旨が前提を欠き不適法とされた事例
憲法14条
判旨
競馬法および自転車競技法の禁止規定は、対象となる行為を何人に対しても禁止し、違反者を一律無差別に処罰するものであるから、法の下の平等を定める憲法14条に違反しない。
問題の所在(論点)
競馬法30条3号および自転車競技法18条2号の各規定が、憲法14条の保障する法の下の平等に反し違憲といえるか。
規範
特定の行為を禁止する罰則規定が憲法14条の「法の下の平等」に反するか否かは、当該規定が何人に対しても一律に適用され、違反者に対して無差別に処罰を科すものであるかによって判断される。
重要事実
被告人が、競馬法30条3号および自転車競技法18条2号の各規定に違反する行為を行ったとして処罰された。これに対し、被告人側は、当該各規定が特定の者を不当に差別するものであり、憲法14条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
競馬法30条3号および自転車競技法18条2号は、そこに規定されている個別の行為(勝馬投票類似の行為等)を、属性に関わらず「何人に対しても」一律に禁止している。また、これに違反した者については、特定の身分や立場を理由に差別することなく「一律無差別に」処罰する構成をとっている。したがって、特定の層を不当に差別するものではない。
事件番号: 昭和54(あ)274 / 裁判年月日: 昭和54年6月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公共団体による勝馬投票券の発売が公認されている一方で、私人が行う同様の行為を競馬法30条3号により処罰することは、立法政策の問題に属し、憲法14条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が、競馬法30条3号に規定される勝馬投票券の発売に類似する行為(私設馬券の発売等)を行ったとして起訴された。これ…
結論
競馬法および自転車競技法の各規定は憲法14条に違反しない。したがって、上告は棄却される。
実務上の射程
法の下の平等に関する合憲性判定において、形式的な適用対象の平等性(一律無差別な適用)を重視する。ただし、本決定は簡潔な上告棄却決定であるため、目的・手段審査等の具体的な違憲審査基準については触れておらず、形式的平等の確認に留まる事案で用いるべきである。
事件番号: 昭和41(あ)918 / 裁判年月日: 昭和41年9月12日 / 結論: 棄却
弁護人の上告趣意は、憲法第一四条第一項違反をいうけれども、自転車競技法第一八条第二号は同号に規定する行為を何人に対しても禁止し、これに違反した者を無差別に処罰するのであるから、所論違憲の主張はその前提を欠く。
事件番号: 昭和53(あ)807 / 裁判年月日: 昭和53年10月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】競馬法に基づき公共団体が行う勝馬投票券の発売行為が容認される一方で、私人が行う同法所定の賭博行為を処罰することは、立法政策の問題にすぎず、憲法14条に違反しない。 第1 事案の概要:上告人は、競馬法30条3号(勝馬投票類似の行為を目的とする一種の賭博場開帳図利等)に該当する行為を行ったとして起訴さ…