自転車競技法第一四条第二号(昭和二七年法律第二二〇号による改正前のもの)の規定は違憲でない。
自転車競技法第一四条第二号(昭和二七年法律第二二〇号による改正前のもの)の規定の合憲性
自転車競技法14条2号(昭和27年法律第220号による改正前のもの),憲法13条,憲法25条
判旨
自転車競技法に基づく勝車投票券の購入等の制限は、賭博行為の弊害を防止し、健全な娯楽としての自転車競技の適正を確保するために必要かつ合理的な制限であり、憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
自転車競技法14条2号(現行法10条:勝車投票券の購入等の制限)が、憲法が保障する基本的人権を侵害し、違憲ではないか。
規範
憲法上の権利であっても、公共の福祉による必要かつ合理的な制限を受ける。賭博行為を規制し、競技の公正を維持するための制限規定は、その目的が正当であり、手段が合理的であれば合憲とされる。
重要事実
被告人が、自転車競技法14条2号(現行法10条に相当)に違反して、禁止されている勝車投票券の購入等を行った。弁護人は、同規定が国民の自由を不当に制限するものであり違憲であると主張して上告した。
あてはめ
自転車競技法14条2号の規定は、射幸心を煽る賭博行為に起因する弊害を防止するとともに、自転車競技の適正な運営と公正を確保することを目的としている。このような目的達成のための制限は、公共の福祉に適う合理的な制約であり、国民に受忍すべき範囲内にある。したがって、同条の規定は憲法に違反するものではない(昭和25年11月22日大法廷判決の趣旨を引用)。
結論
自転車競技法14条2号は憲法に違反せず、本件上告は棄却される。
実務上の射程
公営競技(競輪、競馬等)における投票券購入制限の合憲性を基礎づける初期の判断であり、職業選択の自由や一般的自由権の制約が問題となる事案において、公共の福祉による制限の正当性を基礎づける際に応用できる。
事件番号: 昭和27(あ)6430 / 裁判年月日: 昭和29年10月8日 / 結論: 棄却
競輪施行者でない個人が営業として不特定多数の者から競輪の連勝式勝者投票券購入の依頼を受け、投票券一枚につき一一〇円替の金員を徴収し、これと引換えに購入依頼者に対しそれぞれ同人等が勝者投票の的中者となつた場合、競輪主催者が当該競走の的中勝者に払戻す金額と同一金額を払戻す預り証と題する証票を交付する行為は、昭和二七年法律第…
事件番号: 昭和54(あ)274 / 裁判年月日: 昭和54年6月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公共団体による勝馬投票券の発売が公認されている一方で、私人が行う同様の行為を競馬法30条3号により処罰することは、立法政策の問題に属し、憲法14条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が、競馬法30条3号に規定される勝馬投票券の発売に類似する行為(私設馬券の発売等)を行ったとして起訴された。これ…