判旨
自転車競技法17条2号にいう「勝者投票類似の行為」の成否は、不特定多数人を対象とすることを要件とせず、特定の少数人を対象とする場合であっても成立する。
問題の所在(論点)
自転車競技法17条2号にいう「勝者投票類似の行為」の成立には、不特定多数人を対象とすることが必要か。また、同条が特定の少数人を対象とする場合にまで適用されることが憲法に違反するか。
規範
自転車競技法17条2号に規定される勝者投票類似の行為は、同法19条2号の車券購入受託行為とは異なり、不特定多数人を対象とする場合に限定されない。
重要事実
被告人は自転車競技に関して勝者投票類似の行為を行ったとして、自転車競技法17条2号違反に問われた。弁護人は、当該行為が不特定多数人を対象とする場合に限って処罰されるべきであり、本件はその要件を欠く旨、および憲法14条、25条に違反する旨を主張して上告した。
あてはめ
自転車競技法19条2号が定める「車券購入受託行為」については不特定多数人を対象とすることが観念されるが、17条2号の「勝者投票類似の行為」については、文言上および制度趣旨に照らし、対象者を不特定多数に限定する根拠はない。したがって、特定の者との間で行われた類似行為であっても、同条の構成要件に該当すると解するのが明白である。この解釈を前提とする限り、違憲を主張する弁護人の論理は前提を欠くことになる。
結論
自転車競技法17条2号の行為は不特定多数人を対象とする場合に限られないため、本件被告人の行為には同条が適用される。上告棄却。
実務上の射程
賭博系特別法における構成要件の解釈として、不特定多数性が必要な類型(購入受託等)とそうでない類型(類似行為等)を区別する際の指針となる。答案上は、条文の文言が対象を限定していない場合に、他の類型との比較から解釈を導く際の一例として活用できる。
事件番号: 昭和27(あ)6430 / 裁判年月日: 昭和29年10月8日 / 結論: 棄却
競輪施行者でない個人が営業として不特定多数の者から競輪の連勝式勝者投票券購入の依頼を受け、投票券一枚につき一一〇円替の金員を徴収し、これと引換えに購入依頼者に対しそれぞれ同人等が勝者投票の的中者となつた場合、競輪主催者が当該競走の的中勝者に払戻す金額と同一金額を払戻す預り証と題する証票を交付する行為は、昭和二七年法律第…
事件番号: 昭和28(あ)1176 / 裁判年月日: 昭和29年12月24日 / 結論: 棄却
競輪施行者でない個人が営業として不特定多数の者から競輪の勝者投票券購入の依頼を受け、投票券一枚につき一一〇円替の金員を徴収しこれと引換えに購入依頼者に対しそれぞれ同人等が勝者投票の的中者となつた場合、競輪主催者が該当競走の的中勝者に払戻す金額と同一金額を払戻す預り証と題する証票を交付する行為は、昭和二七年法律第二二〇号…