本件について、最高裁判所がした保釈却下決定に対し異議の申立があつたが、最高裁判所のした保釈却下決定に対し異議申立を許す規定はないから、申立は不適法であつて棄却すべきものである。
最高裁判所のした保釈却下決定に対する異議申立が棄却された事例。
刑訴法351条,刑訴法428条
判旨
最高裁判所がした保釈却下の決定に対し、異議の申立てを許す法律上の規定は存在しないため、かかる申立ては不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所が行った保釈却下決定に対し、異議申立て(刑事訴訟法428条2項等の類推適用を含む不服申立て)をすることが認められるか。
規範
刑事訴訟法上、最高裁判所がした裁判(決定)に対して不服を申し立てるための「異議申立て」を認める規定は存在しない。不服申立制度は法定されていることが必要であり、明文の規定がない以上、最高裁判所の判断を争う手続は認められない。
重要事実
被告人は恐喝および窃盗の罪で起訴されていた。昭和39年12月25日、最高裁判所は当該被告人に対し保釈却下の決定を下した。これに対し、申立人(被告人側)が当該決定を不服として最高裁判所に異議の申立てを行った事案である。
あてはめ
事件番号: 昭和60(す)210 / 裁判年月日: 昭和60年12月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした保釈請求却下決定に対し、被告人から異議の申し立てをすることは、法の規定上認められておらず不適法である。 第1 事案の概要:詐欺被告事件により勾留中の被告人が最高裁判所に対して保釈請求を行ったところ、昭和60年11月21日に却下決定を受けた。これに対し、被告人が当該却下決定を不服とし…
刑事訴訟法上、決定に対する不服申立てとしては抗告(419条)や異議申立て(428条2項)がある。しかし、最高裁判所は終審裁判所であり、その裁判に対してさらに不服を申し立てる制度は、法が特に認める場合(判決の訂正等)を除き、原則として存在しない。本件における保釈却下決定についても、これを争うための異議申立てを許容する法的根拠は一切見当たらない。
結論
最高裁判所のした保釈却下決定に対する異議申立ては、規定のない不適法な申立てであり、棄却されるべきである。
実務上の射程
最高裁判所の決定全般について、明文規定がない限り不服申立てができないことを示す確認的な判例である。答案上は、決定に対する救済手段の有無を検討する際、管轄裁判所が最高裁判所である場合には、抗告や異議申立ての余地がないことを簡潔に指摘する根拠として用いる。
事件番号: 昭和59(す)225 / 裁判年月日: 昭和60年1月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした保釈請求却下決定に対しては、刑事訴訟法上、異議の申立て等の不服申立てをすることは認められない。 第1 事案の概要:強姦致傷被告事件について、最高裁判所が昭和59年12月17日に保釈請求却下決定を下した。これに対し、申立人が異議の申立てを行った事案である。 第2 問題の所在(論点):…
事件番号: 昭和44(し)23 / 裁判年月日: 昭和44年4月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所のした保釈請求却下決定に対しては、刑事訴訟法428条2項に基づき異議の申立てをすべきであり、直接最高裁判所に特別抗告を申し立てることは同法433条1項の要件を欠き不適法である。 第1 事案の概要:窃盗被告事件に関し、東京高等裁判所が保釈請求却下決定を下した。これに対し、申立人は異議の申立…
事件番号: 昭和29(し)26 / 裁判年月日: 昭和29年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所がした保釈却下の決定は、刑訴法428条に基づき異議の申立てが可能であるため、同法433条1項の「不服を申し立てることができない決定」には当たらず、直接の特別抗告は不適法である。 第1 事案の概要:被告人(抗告人)に対し、高等裁判所が保釈却下の決定を行った。これに対し、被告人が直接、最高裁…
事件番号: 昭和24新(つ)92 / 裁判年月日: 昭和25年2月2日 / 結論: 棄却
高等裁判所のなした保釋請求却下決定に對する即時抗告は裁判所法第七條、刑訴應急措置法第一八條に該當しないことは明白であり、他に本件のような抗告を最高裁判所に申立てることを許した法律の規定はないから本件抗告は不適法であるといわなければならない。