最高裁判所がした保釈請求却下決定に対する異議申立の適否(消極)
刑訴法414条,刑訴法428条
判旨
最高裁判所がした保釈請求却下決定に対し、被告人から異議の申し立てをすることは、法の規定上認められておらず不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所が行った保釈請求却下決定に対し、被告人が「異議の申し立て」という形式で不服を申し立てることが認められるか(裁判所の決定に対する不服申立ての許容性)。
規範
裁判所の決定に対する不服申立ては、刑事訴訟法等の法律に特別の定めがある場合に限り許容される。最高裁判所がした決定に対しては、同法上、異議の申し立て(準抗告を含む)や再抗告などの不服申立てを認める規定は存在しない。
重要事実
詐欺被告事件により勾留中の被告人が最高裁判所に対して保釈請求を行ったところ、昭和60年11月21日に却下決定を受けた。これに対し、被告人が当該却下決定を不服として、最高裁判所に対し異議の申し立てを行った事案である。
あてはめ
刑事訴訟法等の規定を検討するに、最高裁判所の決定に対する異議の申し立てを認める明文の規定はない。本件において被告人は最高裁判所の保釈請求却下決定に対して異議を申し立てているが、法に根拠がない以上、手続上このような申立てを行うことはできないものと解される。したがって、本件申立ては適法な不服申立てとしての要件を欠いているといえる。
事件番号: 昭和40(す)6 / 裁判年月日: 昭和40年1月26日 / 結論: 棄却
本件について、最高裁判所がした保釈却下決定に対し異議の申立があつたが、最高裁判所のした保釈却下決定に対し異議申立を許す規定はないから、申立は不適法であつて棄却すべきものである。
結論
最高裁判所の決定に対しては不服申立てが認められていないため、本件異議の申し立ては不適法であり、棄却される。
実務上の射程
最高裁判所による裁判(決定)の終局性・確定性を確認するものである。答案上は、下級審の裁判に対する準抗告(刑訴法429条)や抗告(419条以下)との対比において、最高裁の判断に対する救済手段の欠如を指摘する文脈で使用される。実務上も、最高裁の決定に対する「異議」は門前払いされることを明確に示している。
事件番号: 昭和60(し)139 / 裁判年月日: 昭和60年12月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした勾留理由開示請求を却下する決定に対しては、刑事訴訟法上、不服申し立てをすることが認められておらず、特別抗告は不適法である。 第1 事案の概要:詐欺被告事件により勾留されていた被告人が、最高裁判所第二小法廷に対し勾留理由開示請求を行った。これに対し、最高裁判所は昭和60年11月29日…
事件番号: 昭和59(す)225 / 裁判年月日: 昭和60年1月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした保釈請求却下決定に対しては、刑事訴訟法上、異議の申立て等の不服申立てをすることは認められない。 第1 事案の概要:強姦致傷被告事件について、最高裁判所が昭和59年12月17日に保釈請求却下決定を下した。これに対し、申立人が異議の申立てを行った事案である。 第2 問題の所在(論点):…
事件番号: 昭和24新(つ)92 / 裁判年月日: 昭和25年2月2日 / 結論: 棄却
高等裁判所のなした保釋請求却下決定に對する即時抗告は裁判所法第七條、刑訴應急措置法第一八條に該當しないことは明白であり、他に本件のような抗告を最高裁判所に申立てることを許した法律の規定はないから本件抗告は不適法であるといわなければならない。
事件番号: 昭和60(す)230 / 裁判年月日: 昭和61年1月22日 / 結論: 棄却
上告棄却決定に対し弁護人選任届のない弁護士名義で意義申立書が提出された場合において、異義申立期間経過後にその弁護人選任届が追加提出されても、これによつて右の異議申立が適法有効となるものではない。