保護処分決定に対する抗告棄却決定に対し、再抗告をすることができる者は、少年、その法定代理人または附添人に限られているのであつて、これに該当しない少年の保護者である祖父からの本件再抗告申立は、少年法第三五条第一項の規定に違反するものである。
少年法第三五条の再抗告権者。―少年の保護者である祖父の場合―
少年法35条
判旨
少年法35条1項の再抗告権者は、少年、その法定代理人または付添人に限定されており、それ以外の保護者(祖父等)には認められない。また、再抗告は同条項に定める2週間の不変期間内に行わなければならない。
問題の所在(論点)
少年法35条1項における再抗告権者の範囲、および申立期間経過後にされた再抗告申立ての適法性。
規範
少年法35条1項は、保護処分決定に対する抗告棄却決定への再抗告権者を「少年、その法定代理人又は付添人」に限定している。また、再抗告の申立ては同条項所定の2週間の期間内になされることを要する不変期間の制限に服する。
重要事実
少年の保護者である祖父が、少年の保護処分決定に対する抗告棄却決定に不服を抱き、最高裁判所に対して再抗告を申し立てた。しかし、当該申立ては、再抗告権のない祖父によってなされたものであり、かつ、少年法35条1項に定める2週間の申立期間を経過した後に行われたものであった。
事件番号: 昭和28(し)82 / 裁判年月日: 昭和28年11月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に基づく再抗告は、同項に規定された事由がある場合に限り許容される。憲法違反を主張していても、実質的に原決定の不当(訴訟法違反)をいうにすぎない場合は、適法な再抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:申立人Aは、家庭裁判所の決定に対する抗告審の判断を不服として再抗告を申し立てた。…
あてはめ
本件における再抗告人は少年の祖父であり、少年の法定代理人や付添人には該当しない。したがって、少年法35条1項が限定的に列挙する再抗告権者のいずれにも当たらないといえる。また、記録によれば申立ては同条項が定める2週間の期間を経過した後にされており、期間遵守の要件も欠いていると解される。
結論
本件再抗告申立ては、申立権のない者によるものであり、かつ申立期間を徒過しているため、不適法として棄却される。
実務上の射程
少年法上の不服申立権者の範囲を厳格に解釈する実務上の指針となる。答案上は、少年本人以外の家族(祖父母や兄弟等)が独自に再抗告を行うことの可否が問われた際、本判例を根拠に否定すべきである。また、期間徒過の不適法性についても明確な判断を示している。
事件番号: 昭和59(し)34 / 裁判年月日: 昭和59年9月18日 / 結論: 棄却
少年法二七条の二第一項による保護処分の取消は、保護処分が現に継続中である場合に限り許される。
事件番号: 昭和59(し)131 / 裁判年月日: 昭和60年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に基づく抗告理由において、憲法違反を主張していても、その実質が単なる法令違反や事実誤認の主張にすぎない場合には、適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人(少年側)は、原決定に対し、憲法32条、14条、31条、13条に違反する旨を主張して抗告を申し立てた。しかし、その…
事件番号: 昭和28(し)14 / 裁判年月日: 昭和28年5月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に規定する再抗告事由に関し、実質的な法令違反を憲法違反と主張する再抗告は不適法であり、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:附添人弁護士が、家庭裁判所の決定を支持した抗告裁判所の決定に対し、憲法違反を主張して最高裁判所へ再抗告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):…
事件番号: 昭和37(し)14 / 裁判年月日: 昭和37年6月7日 / 結論: 棄却
本件再抗告申立書は、少年の法定代理人上野ふみ並びに附添人と称するA及び同B三名連署にかかるものであるが、記録によれば、右Aは少年の伯父であり、Bは少年の中学校教師であることが認められるにすぎず、附添人となるについて許可を受けたものではないこと明らかであるから、少年法三五条に定める抗告権者に当らない、それ故右両名の本件再…