少年法二七条の二第一項による保護処分の取消は、保護処分が現に継続中である場合に限り許される。
少年法二七条の二第一項による保護処分取消の時期
少年法27条の2第1項
判旨
少年法27条の2第1項に基づく保護処分の取消しは、当該処分が現に継続中である場合に限り許され、執行終了後には取り消す余地がない。
問題の所在(論点)
少年法27条の2第1項による保護処分の取消しは、当該処分の執行が終了した後においても可能か、同条項の適用範囲が問題となった。
規範
少年法27条の2第1項による保護処分の取消しは、保護処分が「現に継続中」であることを要件とする。したがって、処分の執行が終了した後は、同条項に基づく取消しを行うことはできない。
重要事実
本件は、少年の保護処分について、その執行が終了した後に少年法27条の2第1項に基づく保護処分の取消しが申し立てられた事案である。原審は、保護処分の取消しは処分の継続中に限り許されるとして、申立てを退けた。これに対し、抗告人が法令違反および判例違反を理由として抗告を提起したものである。
あてはめ
事件番号: 平成7(し)7 / 裁判年月日: 平成7年2月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法27条の2第1項に基づく保護処分の取消しは、保護処分が継続中である場合に限り許され、処分終了後には認められない。同規定は少年を将来に向かって保護処分から解放することを目的とするものであり、少年の名誉回復を目的とするものではない。 第1 事案の概要:本件は、既に保護処分が終了した元少年が、保護…
少年法27条の2第1項は、継続中の保護処分を是正するための手続である。本件において、対象となる保護処分の執行は既に終了しており、もはや「現に継続中」とはいえない。処分の効力が消滅した後に取消しの対象となるべき処分は存在せず、同条項の適用の前提を欠くというべきである。したがって、執行終了後の取消しは認められないとする原審の判断は正当である。
結論
保護処分の執行が終了した後は、少年法27条の2第1項による保護処分の取消しを行うことはできない。
実務上の射程
本判決は、少年法上の保護処分取消しの時間的限界を明確にしたものである。答案作成上は、既に退院・解除された後の保護処分について、同条項による救済の可否が問われた際に、処分の継続性を要件として否定する根拠として活用できる。なお、現行法(平成20年改正後)の27条の2の運用においても、本判決の趣旨は解釈の指針となる。
事件番号: 昭和60(し)135 / 裁判年月日: 昭和61年1月9日 / 結論: 棄却
少年に対する保護処分の執行が終了した後においては、もはや少年法二七条の二第一項によりその保護処分を取り消す余地はないと解釈しても、憲法一三条、一四条、三二条に違反しない。
事件番号: 平成6(し)94 / 裁判年月日: 平成6年9月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法27条の2第1項に基づく保護処分の取消しは、保護処分が継続中である場合に限り許され、処分の終了後は、非行事実の不存在を理由とする取消しは認められない。 第1 事案の概要:本件において、抗告人は、保護処分の決定が確定した後にその処分の基礎とされた非行事実が存在しないことが明らかになったとして、…
事件番号: 平成2(し)141 / 裁判年月日: 平成3年5月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法27条の2第1項に基づく保護処分の取消しは、将来に向かって少年を保護処分から解放する手続であり、保護処分が継続中である場合に限り許される。 第1 事案の概要:少年らは保護処分を受けたが、その基礎となった非行事実が存在しないと主張して保護処分の取消しを求めた。しかし、抗告審の継続中に一部の申立…
事件番号: 昭和28(し)82 / 裁判年月日: 昭和28年11月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に基づく再抗告は、同項に規定された事由がある場合に限り許容される。憲法違反を主張していても、実質的に原決定の不当(訴訟法違反)をいうにすぎない場合は、適法な再抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:申立人Aは、家庭裁判所の決定に対する抗告審の判断を不服として再抗告を申し立てた。…