本件再抗告申立書は、少年の法定代理人上野ふみ並びに附添人と称するA及び同B三名連署にかかるものであるが、記録によれば、右Aは少年の伯父であり、Bは少年の中学校教師であることが認められるにすぎず、附添人となるについて許可を受けたものではないこと明らかであるから、少年法三五条に定める抗告権者に当らない、それ故右両名の本件再抗告はこの点において、不適法たるを免れない。
少年の伯父および少年の中学校教師が少年法第三五条に定める抗告権者(附添人)にあたらないとされた事例。
少年法35条,少年法10条
判旨
少年法35条に基づく再抗告権者について、家庭裁判所の許可を受けていない者は、少年の伯父や教師であっても「付添人」には当たらず、再抗告を行うことはできない。
問題の所在(論点)
少年法35条に定める再抗告権者の範囲が問題となり、特に家庭裁判所の許可を得ていない親族や教師が「付添人」として再抗告を申し立てることができるか。
規範
少年法35条および少年審判規則に基づき、再抗告を行うことができる者は法律上規定された抗告権者に限られる。弁護士でない者が付添人として抗告権を行使するためには、家庭裁判所の許可(少年法10条2項)を得ていることを要する。
重要事実
少年の法定代理人および「付添人」と称するA(少年の伯父)およびB(中学校教師)の3名が連署して再抗告を申し立てた。しかし、記録上、AおよびBが家庭裁判所から付添人となることの許可を受けた事実は認められなかった。
事件番号: 昭和40(し)48 / 裁判年月日: 昭和40年7月3日 / 結論: 棄却
保護処分決定に対する抗告棄却決定に対し、再抗告をすることができる者は、少年、その法定代理人または附添人に限られているのであつて、これに該当しない少年の保護者である祖父からの本件再抗告申立は、少年法第三五条第一項の規定に違反するものである。
あてはめ
本件において、Aは少年の伯父であり、Bは中学校教師にすぎない。少年法10条2項によれば、弁護士でない者が付添人となるには家庭裁判所の許可が必要であるが、両名はかかる許可を受けていない。したがって、両名は少年法35条に定める適法な抗告権者(付添人)には該当しないと解される。
結論
許可を受けていない伯父および教師による再抗告は、抗告権者によらない不適法な申し立てとして棄却される。
実務上の射程
少年法上の申立てにおいて、付添人の資格は厳格に判断される。弁護士以外の者が付添人として活動するには家庭裁判所の許可が不可欠であり、許可なき申立ては不適法却下(棄却)の対象となることを示す。答案上は、申立ての適法性や付添人の代理権の範囲を論じる際の基礎として活用できる。
事件番号: 昭和41(し)52 / 裁判年月日: 昭和42年3月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年審判の手続において、憲法37条3項が保障する弁護人依頼権の趣旨は、既に弁護士である付添人が選任されている場合にはその前提を欠き、憲法違反の問題は生じない。 第1 事案の概要:東京家庭裁判所における少年審判の手続を経て、少年側が再抗告を申し立てた事案である。再抗告人は、原審の手続に関し、国選弁護…
事件番号: 昭和46(し)71 / 裁判年月日: 昭和46年9月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への特別抗告において、原審で主張・判断を経ていない憲法違反の主張をすることは、適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:本件は、少年審判に関する決定に対し、憲法11条および31条違反を理由として特別抗告がなされた事案である。しかし、当該憲法違反の主張は、原審の手続過程において主張さ…
事件番号: 昭和35(し)12 / 裁判年月日: 昭和35年5月17日 / 結論: 棄却
少年保護事件において、少年の実母の内縁の夫は、少年法第三五条に定める再抗告権者にあたらない。
事件番号: 昭和32(す)371 / 裁判年月日: 昭和32年6月12日 / 結論: 棄却
一 家庭裁判所において事件を受理する以前少年たる被疑者の弁護人として選任されていても、少年法第一〇条、少年審判規則第一四条によりあらためて附添人として選任されなければ、その弁護人をもつて当然に附添人であるということはできない。 二 少年を特別少年院に送致する旨の決定に対し抗告がなされた場合その少年が少年法にいう少年であ…