再抗告における違憲主張の適否
少年法35条
判旨
最高裁判所への特別抗告において、原審で主張・判断を経ていない憲法違反の主張をすることは、適法な抗告理由にあたらない。
問題の所在(論点)
原審で主張・判断されていない憲法違反の事項を、最高裁判所に対する特別抗告において初めて主張することが適法な抗告理由となり得るか。
規範
特別抗告において、原審で主張されず、かつ原審の判断も経ていない憲法違反の事項を新たに主張することは、適法な抗告理由として認められない。
重要事実
本件は、少年審判に関する決定に対し、憲法11条および31条違反を理由として特別抗告がなされた事案である。しかし、当該憲法違反の主張は、原審の手続過程において主張された形跡がなく、原審の判断対象にもなっていなかった。
あてはめ
本件抗告人が主張する憲法11条および31条違反の事由は、原審(下級審)の段階で全く提起されておらず、したがって原決定における判断の対象にもなっていない。少年審判規則等の手続規定に照らせば、上訴審での憲法判断は原審の判断の当否を検討するものであるべきところ、未判断の事項を直接最高裁に持ち込むことは上訴制度の趣旨に反する。
事件番号: 昭和26(ク)156 / 裁判年月日: 昭和26年9月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、単なる訴訟手続法規の解釈の誤りを憲法違反と主張するものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定が憲法32条に違反すると主張して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その主張の実質は、原審における訴訟手続法規…
結論
本件抗告を棄却する。原審で主張・判断を経ていない憲法違反の主張は、適法な抗告理由にあたらない。
実務上の射程
手続法上の論点として、上訴理由の適格性を論じる際に活用できる。特に特別抗告において、原審の憲法判断の欠如が抗告の不適法をもたらすという遮断効的な法理を示す判例である。
事件番号: 昭和28(し)14 / 裁判年月日: 昭和28年5月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に規定する再抗告事由に関し、実質的な法令違反を憲法違反と主張する再抗告は不適法であり、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:附添人弁護士が、家庭裁判所の決定を支持した抗告裁判所の決定に対し、憲法違反を主張して最高裁判所へ再抗告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):…
事件番号: 平成5(し)167 / 裁判年月日: 平成6年3月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年審判において捜査官に対する自白の任意性が争われた場合、記録上その任意性を疑うに足りる証跡が認められない限り、憲法38条2項違反の主張は前提を欠き、抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:少年らの捜査官に対する自白の任意性が争われ、憲法38条2項違反を理由として抗告がなされた事案。原決定の正…
事件番号: 昭和46(し)17 / 裁判年月日: 昭和46年3月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件抗告は、原決定の憲法違反を主張するものであるが、刑訴応急措置法18条1項に規定される適法な抗告理由に該当しないため、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人が原決定の判断について憲法違反を主張して本件抗告を申し立てた事案。具体的な事案の内容や、原決定がどのような法的判断を下したかについ…
事件番号: 昭和28(し)82 / 裁判年月日: 昭和28年11月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に基づく再抗告は、同項に規定された事由がある場合に限り許容される。憲法違反を主張していても、実質的に原決定の不当(訴訟法違反)をいうにすぎない場合は、適法な再抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:申立人Aは、家庭裁判所の決定に対する抗告審の判断を不服として再抗告を申し立てた。…