判旨
本件抗告は、原決定の憲法違反を主張するものであるが、刑訴応急措置法18条1項に規定される適法な抗告理由に該当しないため、棄却されるべきである。
問題の所在(論点)
抗告人が主張する憲法違反の理由が、刑訴応急措置法18条1項の定める抗告理由として認められるか。
規範
抗告が適法とされるためには、刑訴応急措置法18条1項(現在の刑事訴訟法433条に相当する特別抗告の規定等)に定められた具体的な抗告理由(憲法違反または判例違反)を具備していなければならない。
重要事実
抗告人が原決定の判断について憲法違反を主張して本件抗告を申し立てた事案。具体的な事案の内容や、原決定がどのような法的判断を下したかについては、判決文からは不明である。
あてはめ
最高裁は、本件抗告の趣旨が「原決定の判断が憲法に違反するというもの」であると認定した。しかし、その主張内容を検討した結果、刑訴応急措置法18条1項が求める抗告理由の実質を備えていないと判断した。これは、単なる憲法違反の主張のみでは足りず、同条項の趣旨に照らして適法な不服申立ての要件を満たす必要があることを示唆している。
結論
本件抗告は、適法な抗告理由にあたらないため、旧刑事訴訟法466条1項に基づき棄却される。
実務上の射程
特別抗告の理由として憲法違反を主張する場合であっても、その主張が形式的なものにとどまる場合や、法律の定める抗告理由の要件を実質的に満たさない場合には、不適法として棄却される実務上の取扱いを確認するものである。
事件番号: 昭和58(し)126 / 裁判年月日: 昭和59年1月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法32条違反を主張しても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合や、刑訴法411条4号の事由を抽象的に主張するにすぎない場合は、同法433条の特別抗告理由にはあたらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し、憲法32条違反(裁判を受ける権利)を主張して特別抗告を申し立てた。しかし、そ…
事件番号: 昭和36(し)34 / 裁判年月日: 昭和36年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑事訴訟法が適用される再審請求棄却決定に対する特別抗告において、憲法違反の主張が含まれない場合は、適法な抗告理由を欠くものとして不適法となる。 第1 事案の概要:強盗殺人被告事件について、昭和36年7月4日に東京高等裁判所がなした再審請求棄却決定に対し、特別抗告が申し立てられた。本件は旧法事件で…
事件番号: 昭和26(ク)156 / 裁判年月日: 昭和26年9月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、単なる訴訟手続法規の解釈の誤りを憲法違反と主張するものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定が憲法32条に違反すると主張して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その主張の実質は、原審における訴訟手続法規…
事件番号: 昭和26(し)75 / 裁判年月日: 昭和26年10月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が下した決定に対しては、更に上級裁判所が存在しないため、これに抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所が昭和26年9月18日になした「再審請求棄却決定に対する抗告棄却の決定」に対し、さらに抗告を申し立てた。これに対し、最高裁判所が当該抗告の適法性を判断し…
事件番号: 昭和26(し)58 / 裁判年月日: 昭和26年9月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、訴訟法において特に認められた場合に限り抗告の裁判権を有し、高等裁判所の再審請求棄却決定に対して憲法違反を主張しない抗告は不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、福岡高等裁判所がなした再審請求棄却決定に対し、旧刑事訴訟法510条に基づいて最高裁判所に抗告を申し立てた。しかし、当該抗…