再審請求棄却決定に対する異議申立棄却決定に対し、再審事由等を主張して申し立てた特別抗告が不適法とされた事例
判旨
憲法32条違反を主張しても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合や、刑訴法411条4号の事由を抽象的に主張するにすぎない場合は、同法433条の特別抗告理由にはあたらない。
問題の所在(論点)
刑訴法433条に基づく特別抗告において、憲法違反を主張しながらその実質が法令違反である場合や、職権破棄事由の抽象的な主張が適法な抗告理由となるか。
規範
刑訴法433条の特別抗告が認められるためには、同条に規定された憲法違反または判例違反の具体的な事由が必要である。憲法違反を名目としていても、その実質が単なる法令違反の主張である場合や、職権破棄事由である同法411条を根拠とした抽象的な主張にとどまる場合は、適法な抗告理由を構成しない。
重要事実
抗告人は、原決定に対し、憲法32条違反(裁判を受ける権利)を主張して特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的な内容は判決文からは不明であるが、裁判所は、憲法違反という名目にかかわらず実質的には単なる法令違反の主張であり、また刑訴法411条4号(刑の量定の不当等)に該当する旨の抽象的な主張であると判断した。
あてはめ
本件抗告人が主張する憲法32条違反は、形式的には憲法違反を掲げているものの、その実質は単なる法令違反を指摘するものにすぎない。また、刑訴法411条4号に基づく事由があるとの主張は、具体的な根拠を欠く抽象的なものにとどまっている。これらは、同法433条が求める限定的な抗告理由を充足するものとは評価できない。
結論
本件抗告は刑訴法433条所定の抗告理由にあたらないため、同法434条、426条1項により棄却される。
事件番号: 昭和46(し)17 / 裁判年月日: 昭和46年3月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件抗告は、原決定の憲法違反を主張するものであるが、刑訴応急措置法18条1項に規定される適法な抗告理由に該当しないため、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人が原決定の判断について憲法違反を主張して本件抗告を申し立てた事案。具体的な事案の内容や、原決定がどのような法的判断を下したかについ…
実務上の射程
特別抗告の要件を厳格に解する実務運用を示すものである。答案上は、特別抗告の可否が問われる場面で、形式的な憲法違反の主張があっても、その実質が単なる法令違反や事実誤認にすぎない場合には、適法な抗告理由とならないことを説明する際に引用し得る。
事件番号: 昭和43(し)34 / 裁判年月日: 昭和43年11月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、実質的に単なる訴訟法違反を主張するものは、同条所定の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人が刑事訴訟法433条に基づき特別抗告を申し立てた事案。抗告人はその理由として憲法違反を主張していたが、その主張の実質は訴訟法違反を指摘するものであった。…
事件番号: 昭和26(ク)156 / 裁判年月日: 昭和26年9月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、原決定における憲法判断の不当を理由とする場合に限られ、単なる訴訟手続法規の解釈の誤りを憲法違反と主張するものは不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定が憲法32条に違反すると主張して最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その主張の実質は、原審における訴訟手続法規…
事件番号: 昭和58(し)2 / 裁判年月日: 昭和62年2月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法435条6号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」に当たらないとした原決定の判断を、正当として是認したものである。 第1 事案の概要:申立人は、確定判決に対する再審請求を行い、その根拠として刑訴法435条6号所定の「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」にあたる新証拠を提出した。しかし、原審…
事件番号: 昭和28(し)18 / 裁判年月日: 昭和28年4月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑事訴訟法が適用される事件において、高等裁判所の決定に対し最高裁判所へ抗告をすることは、訴訟法において特に認められた場合を除き許されない。 第1 事案の概要:申立人は、東京高等裁判所が下した再審請求棄却決定を不服として、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。本件は刑訴施行法2条に基づき旧刑事訴訟法…