判旨
旧刑事訴訟法が適用される再審請求棄却決定に対する特別抗告において、憲法違反の主張が含まれない場合は、適法な抗告理由を欠くものとして不適法となる。
問題の所在(論点)
旧法事件の再審請求棄却決定に対する特別抗告において、憲法違反の主張を伴わない抗告理由が適法なものとして認められるか。
規範
旧刑事訴訟法下における最高裁判所への特別抗告(刑訴応急措置法18条)が許されるためには、原決定における法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかについての判断が不当であることを主張することを要する。
重要事実
強盗殺人被告事件について、昭和36年7月4日に東京高等裁判所がなした再審請求棄却決定に対し、特別抗告が申し立てられた。本件は旧法事件であり、刑訴応急措置法18条が適用される事案であった。
あてはめ
本件抗告理由の内容を検討すると、原決定(東京高裁の再審請求棄却決定)において法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかについてなされた判断が不当であるとの主張が含まれていないことが明らかである。したがって、本件特別抗告は法定の抗告理由を具備していないといえる。
結論
本件特別抗告は不適法であり、棄却すべきである。
実務上の射程
刑事訴訟法附則等により旧法が適用される事案における特別抗告の要件を確認する際、憲法判断の不当性が必須であることを示す手続的先例として機能する。
事件番号: 昭和46(し)17 / 裁判年月日: 昭和46年3月31日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件抗告は、原決定の憲法違反を主張するものであるが、刑訴応急措置法18条1項に規定される適法な抗告理由に該当しないため、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:抗告人が原決定の判断について憲法違反を主張して本件抗告を申し立てた事案。具体的な事案の内容や、原決定がどのような法的判断を下したかについ…
事件番号: 昭和28(し)18 / 裁判年月日: 昭和28年4月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑事訴訟法が適用される事件において、高等裁判所の決定に対し最高裁判所へ抗告をすることは、訴訟法において特に認められた場合を除き許されない。 第1 事案の概要:申立人は、東京高等裁判所が下した再審請求棄却決定を不服として、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。本件は刑訴施行法2条に基づき旧刑事訴訟法…
事件番号: 昭和28(し)49 / 裁判年月日: 昭和31年9月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所のした再審請求棄却決定に対し最高裁判所へ抗告を申し立てることは、法律に特別の規定がある場合に限り許される。特別抗告として解釈する場合であっても、法定の提起期間を徒過し、かつ抗告理由が法定の事由に該当しないときは、当該申立ては不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は、昭和28年4月30日…
事件番号: 昭和37(し)22 / 裁判年月日: 昭和37年8月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求棄却決定に対する特別抗告において、抗告理由が単なる違憲の主張にとどまり、原決定による憲法判断の不当性を具体的に示すものでない場合は、不適法として棄却される。 第1 事案の概要:強盗殺人被告事件について、昭和37年5月29日に東京高等裁判所が下した再審請求棄却決定に対し、特別抗告が申し立てら…
事件番号: 昭和28(し)84 / 裁判年月日: 昭和28年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の供述が拷問や脅迫に基づくものであると認めるべき証拠がない場合、憲法38条違反の主張は前提を欠き採用されない。また、特別抗告において憲法違反を主張する際には、原決定の具体的な違憲理由を明示する必要がある。 第1 事案の概要:被告人が司法警察員に対して行った各供述について、取調官の拷問や脅迫に…