少年保護事件について、標題に「再抗告申立※特別抗告申立書」とある申立を、再抗告の申立として処理した事例
少年法35条,少審規43条,少審規54条
判旨
少年法35条1項に基づく抗告理由において、憲法違反を主張していても、その実質が単なる法令違反や事実誤認の主張にすぎない場合には、適法な抗告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
憲法違反を名目とした抗告がなされた場合に、その主張の実質が単なる法令違反や事実誤認であるとき、少年法35条1項(再抗告)の抗告理由として適法か。
規範
少年法35条1項(現在の規定は35条1項。判決当時は憲法違反等を理由とする再抗告に関する規定を指す)の規定に関し、憲法違反等の主張であっても、その内容が実質的に単なる法令違反や事実誤認をいうものである場合には、同条所定の抗告理由には該当しない。
重要事実
抗告人(少年側)は、原決定に対し、憲法32条、14条、31条、13条に違反する旨を主張して抗告を申し立てた。しかし、その具体的な主張内容は、原決定の法令適用や事実認定の当否を争うものであった。
あてはめ
抗告人は憲法違反を理由に挙げているが、その趣旨を精査すると、実質的には下級審の判断における法令の解釈適用の誤りや、前提となる事実の誤認を指摘するにとどまっている。これは、最高裁判所が判断すべき固有の憲法問題の提起とはいえず、少年法上の抗告理由の形式を満たさない。
事件番号: 昭和28(し)82 / 裁判年月日: 昭和28年11月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に基づく再抗告は、同項に規定された事由がある場合に限り許容される。憲法違反を主張していても、実質的に原決定の不当(訴訟法違反)をいうにすぎない場合は、適法な再抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:申立人Aは、家庭裁判所の決定に対する抗告審の判断を不服として再抗告を申し立てた。…
結論
本件抗告は、実質的に単なる法令違反・事実誤認の主張であって、少年法35条1項の抗告理由にあたらないため、棄却される。
実務上の射程
再抗告審において憲法違反を主張する際は、具体的な憲法解釈の誤りを示す必要があり、名目的な憲法違反の主張を借りた事実誤認等の主張は排除されるという実務上の取り扱いを確認するものである。
事件番号: 昭和28(し)14 / 裁判年月日: 昭和28年5月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項に規定する再抗告事由に関し、実質的な法令違反を憲法違反と主張する再抗告は不適法であり、棄却されるべきである。 第1 事案の概要:附添人弁護士が、家庭裁判所の決定を支持した抗告裁判所の決定に対し、憲法違反を主張して最高裁判所へ再抗告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):…
事件番号: 昭和54(し)68 / 裁判年月日: 昭和54年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項の再抗告理由において、事実誤認、単なる法令違反、および処分不当の主張は、いずれも適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、少年法に基づく決定に対して最高裁判所へ抗告(再抗告)を申し立てた。その際、申立ての理由として、原決定における事実の誤認、単なる法令違反、および…
事件番号: 昭和59(し)34 / 裁判年月日: 昭和59年9月18日 / 結論: 棄却
少年法二七条の二第一項による保護処分の取消は、保護処分が現に継続中である場合に限り許される。
事件番号: 昭和26(し)78 / 裁判年月日: 昭和26年12月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法35条1項の再抗告は、同条に規定された憲法違反または憲法解釈の誤り等の事由を理由とする場合に限り許容され、単なる事実誤認や処分の不当を主張するものは不適法である。 第1 事案の概要:申立人は窃盗等の非行事実により中等少年院送致の保護処分を受けた。これに対し申立人は、(1)家からの持ち出し窃盗…