原判決が、本件相互銀行のなす貸付業務が、経済関係罰則の整備に関する法律第二条の経済の統制を目的とする法令により行う統制に関する業務であることは明らかであるとして、被告人らの本件行為に右法律第二条を適用したことを相当であると判示したのは正当である。
相互銀行のなす貸付業務は経済関係罰則の警備に関する法律第二条にいう業務にあたるか。
経済関係罰則の整備に関する法律2条
判旨
相互銀行の行う貸付業務は、経済関係罰則の整備に関する法律2条に規定する「経済の統制を目的とする法令により行う統制に関する業務」に該当する。
問題の所在(論点)
相互銀行のなす貸付業務が、経済関係罰則の整備に関する法律2条に規定する「経済の統制を目的とする法令により行う統制に関する業務」に該当するか。
規範
経済関係罰則の整備に関する法律2条(贈収賄等の処罰)の適用に関し、同条に規定する「経済の統制を目的とする法令により行う統制に関する業務」とは、公的機関のみならず、特定の民間金融機関等が法令に基づき経済統制の機能の一翼を担って行う業務を包含する。
重要事実
被告人らは、相互銀行の業務に従事していたところ、その貸付業務に関して不正な行為を行ったとして、経済関係罰則の整備に関する法律2条(経済統制業務に従事する者に対する贈収賄罪等)の適用を問われた。弁護人は、相互銀行の貸付業務が同条の「経済の統制に関する業務」には当たらないと主張して上告した。
事件番号: 昭和36(あ)292 / 裁判年月日: 昭和38年7月10日 / 結論: 棄却
相互銀行は経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条別表乙号二四の「金融緊急措置令ニ規定スル金融機関」にあたると解すべきである。
あてはめ
相互銀行の貸付業務は、当時の経済状況下において、経済の統制を目的とする法令に基づき実施されていたものである。このような業務は、単なる私利を目的としたものではなく、経済統制という公共的機能を有する。したがって、本件における相互銀行の貸付業務は、同法2条が予定する統制業務であると解するのが相当である。
結論
相互銀行の貸付業務は経済関係罰則の整備に関する法律2条の業務に該当し、被告人らの行為に同条を適用した原判断は正当である。
実務上の射程
経済事犯における身分犯の解釈において、民間企業の業務であっても法令に基づき公的な経済統制機能を担う場合には、特別法の処罰対象となることを示した。現在では当時の統制経済状況が解消されているため、同法の適用範囲については限定的に解釈する必要がある点に留意すべきである。
事件番号: 昭和36(あ)1077 / 裁判年月日: 昭和38年7月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】相互銀行は、金融緊急措置令8条にいう「銀行」に含まれると解するのが相当であり、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条別表乙号24に規定する「金融緊急措置令ニ規定スル金融機関」に該当する。 第1 事案の概要:相互銀行の支店長である被告人が、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条違反に問われた事案。同条は「金…
事件番号: 昭和31(あ)154 / 裁判年月日: 昭和33年9月12日 / 結論: 棄却
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条にいう「其ノ職務」とは、同条の定める会社、組合またはこれらに準ずるものの職務であれば、同条のいう事業または業務にかかわりなく、すべてを含むと解すべきではないが、本来の独占的または統制的性質をもつ業務に局限すべきでなく、本来の事業または業務を行うために必要な関係にある事務をも含むものと…
事件番号: 昭和28(あ)5626 / 裁判年月日: 昭和31年2月29日 / 結論: 棄却
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律別表乙号二四の金融機関たる銀行の為す貸付業務は、金融緊急措置令第六条同施行規則第一三条および金融機関資金融通準則に基いて行われるものであつて、右法律第二条の経済の統制を目的とする法令により行う「統制に関する業務」である。
事件番号: 昭和36(あ)1075 / 裁判年月日: 昭和38年7月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】相互銀行は、金融緊急措置令8条にいう「銀行」に含まれると解するのが相当である。したがって、相互銀行の職員による不正行為に対し、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条を適用することは、憲法31条に違反しない。 第1 事案の概要:相互銀行の支店次長である被告人が、その職務に関して不正な行為を行った。検察官…