経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律別表乙号二四の金融機関たる銀行の為す貸付業務は、金融緊急措置令第六条同施行規則第一三条および金融機関資金融通準則に基いて行われるものであつて、右法律第二条の経済の統制を目的とする法令により行う「統制に関する業務」である。
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条の統制に関する業務と銀行の貸付業務
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律2条,経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律別表乙号24,金融緊急措置令6条,金融緊急措置令11条,金融機関資金融通準則(昭和22年3月1日大蔵省告示37号)1の1,金融機関資金融通準則(昭和22年3月1日大蔵省告示37号)2の1,金融機関資金融通準則(昭和22年3月1日大蔵省告示37号)2の2,金融機関資金融通準則(昭和22年3月1日大蔵省告示37号)3の1,金融機関資金融通準則(昭和22年3月1日大蔵省告示37号)3の2,金融機関資金融通準則(昭和22年3月1日大蔵省告示37号)3の3,金融機関資金融通準則(昭和22年3月1日大蔵省告示37号)4の1,金融機関資金融通準則(昭和22年3月1日大蔵省告示37号)4の2,金融緊急措置令施行規則13条
判旨
経済関係罰則の整備に関する法律2条にいう「職務」とは、本来の独占的または統制的性質をもつ事務に限定されず、本来の事業または業務を行うために必要な関係にある事務も含まれる。また、銀行職員による手形貸付業務は、経済統制法令に基づく「統制に関する業務」に属する職務に当たると解するのが相当である。
問題の所在(論点)
経済関係罰則の整備に関する法律2条にいう「職務」の範囲、および銀行職員が行う手形貸付業務が同条の「職務」に含まれるか。
規範
経済関係罰則の整備に関する法律2条の「職務」とは、会社・組合等の役職員の職務であればその事業・業務にかかわりなくすべてを含むわけではないが、本来の独占的または統制的性質をもつ事務に局限されるものでもない。本来の事業または業務を行うために必要な関係にある事務をも含むものと解すべきである。
事件番号: 昭和39(あ)1336 / 裁判年月日: 昭和40年9月21日 / 結論: 棄却
銀行支店長代理が架空の定期預金証書を作成し交付することは、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条にいわゆる「職務に関する行為」に当る。
重要事実
被告人らは銀行の職員として勤務していた。当時、手形貸付業務は、金融緊急措置令、同施行規則、大蔵省告示および金融機関資金融通準則に基づいて行われていた。被告人らは、銀行の業務としてこれらの法令に基づき行われる手形貸付業務に従事し、その職務を担当していたが、当該職務に関連して経済関係罰則の整備に関する法律2条の適用が問題となった。
あてはめ
本件の手形貸付業務は、金融緊急措置令などの経済の統制を目的とする法令に基づいて行われており、単なる私的な金融取引ではなく「統制に関する業務」としての性質を有する。被告人らは銀行の職員として、この統制的な業務に属する職務を担当していたのであるから、同条にいう職務に当たるといえる。本来の事業を遂行するために必要な関係にある事務である以上、同条の適用対象となる職務に該当すると評価される。
結論
銀行職員が行う手形貸付業務は、経済関係罰則の整備に関する法律2条の「職務」に該当する。したがって、同条の解釈を誤ったとする上告趣意は理由がない。
実務上の射程
「職務」の範囲を「独占・統制的事務」に限定せず、付随的な事務や必要不可欠な関係にある事務まで広く認めた点に意義がある。特別刑法における「職務」概念の解釈において、単なる形式的な文言解釈ではなく、当該業務が根拠法令(統制法令)に基づき行われているかという実質的背景を重視する姿勢を示しており、類旨の経済犯罪の構成要件解釈に射程が及ぶ。
事件番号: 昭和31(あ)154 / 裁判年月日: 昭和33年9月12日 / 結論: 棄却
経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条にいう「其ノ職務」とは、同条の定める会社、組合またはこれらに準ずるものの職務であれば、同条のいう事業または業務にかかわりなく、すべてを含むと解すべきではないが、本来の独占的または統制的性質をもつ業務に局限すべきでなく、本来の事業または業務を行うために必要な関係にある事務をも含むものと…
事件番号: 昭和37(あ)555 / 裁判年月日: 昭和37年9月20日 / 結論: 棄却
原判決が、本件相互銀行のなす貸付業務が、経済関係罰則の整備に関する法律第二条の経済の統制を目的とする法令により行う統制に関する業務であることは明らかであるとして、被告人らの本件行為に右法律第二条を適用したことを相当であると判示したのは正当である。
事件番号: 昭和36(あ)292 / 裁判年月日: 昭和38年7月10日 / 結論: 棄却
相互銀行は経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条別表乙号二四の「金融緊急措置令ニ規定スル金融機関」にあたると解すべきである。
事件番号: 昭和28(あ)2909 / 裁判年月日: 昭和30年7月5日 / 結論: 棄却
一 「経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律」別表乙号第二九号にあたるA配電株式会社(現在B電力株式会社)資材課員の職務に関し賄賂を供与した罪の訴因において、「機器の修理契約その代金支払手続等の事務」とある職員の職務内容を「変圧器等古機器の払下」と認定するには訴因変更の手続を要しない。 二 前記会社の資材課長の職務である「機器…