本件場所が、道路交通取締法(昭和二二年法律第一三〇号)第二条第二項の「一般交通の用に供するその他の場所」に該当するとした原判決の判断は相当である。 (原判決の判断の要旨)本件場所は、当時架橋工事中のa橋にさしかかる新設道路から分岐してその西方のb川の河原に至る間の約九三米の区間であるが、同所は数年前から砂利採取業者らが右河原から砂利を採取するため貨物自動車等の運行の用に供しており、また車体洗滌のため毎日数回となく自動車が往復する通路であつて、一見道路の形態をなし、単なる河原と区別できる状況にあることが認められ、右場所は道路交通取締法第二条第二項の「一般交通の用に供するその他の場所」に該当し、道路というに妨げない。
道路交通取締法(昭和二二年法律第一三〇号)第二条第二項にいう「一般交通の用に供するその他の場所」に該当するとされた事例。
道路交通法附則14条,道路交通取締法(昭和22年法律130号)2条2項
判旨
道路交通取締法における「道路」の定義に含まれる「一般交通の用に供するその他の場所」に該当するか否かは、客観的に不特定多数の者や車両が自由に行き来できる状態にあるかという点から判断すべきである。
問題の所在(論点)
道路交通取締法2条2項(現行の道路交通法2条1項1号後段に相当)にいう「一般交通の用に供するその他の場所」としての「道路」に該当するための判断基準が問題となる。
規範
「一般交通の用に供するその他の場所」とは、公道や私道の区別を問わず、現実の態様として不特定多数の者や車両の通行のために開放されており、客観的に自由な通行が認められている場所を指す。
重要事実
被告人が道路交通取締法違反に問われた事案において、当該違反行為がなされた場所が、同法2条2項にいう「一般交通の用に供するその他の場所」に該当するか否かが争われた。なお、当該場所の具体的な地目や所有関係等の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
本件場所については、その利用の実態に照らせば「一般交通の用に供するその他の場所」に該当するとした原審の判断が相当である。所論が引用する判例は本件と事案を異にするものであり、本件場所の客観的状況からすれば、道路としての性質を備えていると解される。
結論
本件場所は「一般交通の用に供するその他の場所」に該当し、道路交通取締法上の「道路」に含まれる。
実務上の射程
道路交通法の適用範囲(「道路」の定義)に関するリーディングケースの一つ。私有地であっても、不特定多数の通行を容認している駐車場や広場、私道等は「道路」に含まれるとする解釈の根拠として答案で使用できる。
事件番号: 昭和38(あ)2395 / 裁判年月日: 昭和39年3月11日 / 結論: 棄却
普通乗用自動車を運転中、電話をかける用件が生じたのでそのエンジンを止めた上、その傍から離れ、七メートル離れた、店頭の赤電話のところに行き、まず電話帳をくつて先方の番号を調べ、次いで電話をかけようとしたときは、いわゆる「運転者がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態」にあつたものとして、道路交通法第二条第一八…
事件番号: 昭和34(あ)1540 / 裁判年月日: 昭和35年3月3日 / 結論: 棄却
道路において演説をなし人寄をする場合を許可制とした道路交通取締法第二六条第一項第四号、第二九条第一号、同法施行令第六九条第一項および昭和二九年北海道公安委員会規則第一二号道路交通取締法施行細則第二六条第八号の各規程は、憲法第二一条に違反しない。
事件番号: 昭和31(あ)38 / 裁判年月日: 昭和33年9月10日 / 結論: 棄却
法律により犯罪者に対し自由刑の一種として禁錮刑を定めることは憲法第二七条第一項に牴触するものではない。