走行中の先行車両は道路交通法第一七条第四項第三号にいう「その他の障害」にあたらない。
走行中の先行車両は道路交通法第一七条第四項第三号にいう「その他の障害」にあたるか。
道路交通法(昭和39年法律19号による改正前のもの)17条4項3号
判旨
道路交通法上の通行区分規制は、道路の安全と円滑を図るための立法政策の問題であり、憲法13条に抵触しない。また、同法17条4項3号の「その他の障害」に、走行中の先行車両は含まれない。
問題の所在(論点)
1. 道路交通法による車両の通行区分規制は、憲法13条の幸福追求権を侵害し違憲か。 2. 道路交通法17条4項3号にいう「その他の障害」に、走行中の先行車両が含まれるか。
規範
1. 道路における車両の通行区分規制は、交通の危険防止および安全・円滑な通行を図るための立法政策に委ねられており、憲法13条が保障する権利を直接侵害するものではない。 2. 道路交通法17条4項3号に規定される「その他の障害」とは、進行を妨げる客観的な支障物を指し、通常走行している先行車両はこれに含まれない。
重要事実
被告人は、道路において通行区分に従わず走行したことにより道路交通法違反に問われた。これに対し被告人は、走行中の先行車両が同法17条4項3号の「その他の障害」にあたると主張して自らの通行方法の正当性を争うとともに、通行区分規制自体が憲法13条および14条に違反し、検挙が不当であるとして上告した。
あてはめ
1. 道路交通の安全と円滑を目的とする通行区分の設定は、専門技術的・政策的な判断が必要な立法政策の範疇に属する。したがって、特定の通行方法を制限しても憲法13条が保障する私生活上の自由や権利を不当に侵害するものとはいえない。 2. 道路交通法17条4項3号が道路の左側部分以外の走行を許容する「その他の障害」とは、道路上の固定物や放置車両などの静止した障害を想定している。走行中の先行車両は、単なる交通流の一部であり、これを障害と解して通行区分を逸脱することは法の趣旨に反する。
結論
本件規制は憲法13条に違反せず、また走行中の先行車両は「その他の障害」に当たらないため、被告人の行為は道路交通法17条違反を構成する。上告棄却。
実務上の射程
交通規制の合憲性判断において、立法府の広範な裁量を認める枠組みとして活用できる。また、道路交通法17条の除外規定の解釈において、先行車を追い越す目的等で安易に通行区分を逸脱することの違法性を基礎づける際に、本判例の「その他の障害」の限定解釈が射程となる。
事件番号: 昭和47(あ)1685 / 裁判年月日: 昭和47年11月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】道路交通法施行令44条の3の規定はアルコール類の摂取自体を禁ずる趣旨ではなく、酒気帯び運転等の危険を防止する目的であるため、憲法13条に違反しない。 第1 事案の概要:上告人は、道路交通法施行令44条の3の規定(酒気帯び運転の禁止に関連する規定)がアルコール類の摂取自体を禁ずるものであり、個人の自…