本件政党の結党大会がその結党大会準備委員会の業務として、刑法第二三四条にいわゆる「業務」にあたる旨の原判示は正当である。
政党の結党大会は刑法第二三四条にいわゆる「業務」にあたるか。
刑法234条
判旨
政党の結党大会は、その結党大会準備委員会の業務として、刑法234条にいう「業務」に該当する。
問題の所在(論点)
政党の結党大会が、刑法234条の威力業務妨害罪にいう「業務」に該当するか。特に、準備委員会という組織によって行われる一度限りの大会行事が、業務の要件である継続性を満たすかが問題となる。
規範
刑法234条の威力業務妨害罪における「業務」とは、職業その他社会生活上の地位に基づき継続して従事する事務を指す。営利目的であるか否か、あるいは公共的・政治的な活動であるかを問わず、社会通念上、業務としての定型性を有し、反復継続して行われる活動であればこれに含まれる。
重要事実
本件では、特定の政党が結党大会を開催しようとしていたところ、被告人らがこれに干渉し妨害行為を行った。この結党大会は、あらかじめ組織された「結党大会準備委員会」によって運営・実施されていた。被告人側は、政治的行事である結党大会が刑法上の「業務」に該当しないと主張して争った。
あてはめ
本件の結党大会は、結党大会準備委員会の事務として行われている。この準備委員会は大会開催という目的のために組織されたものであり、その活動は一時的なイベントにとどまらず、組織的な準備・運営を伴う事務の遂行といえる。したがって、たとえ政治的な結党大会であっても、それが準備委員会の業務として行われる以上、刑法上の保護対象となる「業務」に該当すると解するのが正当である。
結論
政党の結党大会は刑法234条の「業務」にあたるため、これを威力を用いて妨害する行為は威力業務妨害罪を構成する。
実務上の射程
本判決は、政治的活動や非営利的な一回的行事であっても、準備委員会等の組織主体が存在し、その事務として行われる場合には「業務」性を認めることを示した。司法試験においては、娯楽行事や宗教・政治的活動の業務性を論じる際、主体の組織性や事務の性質に着目して本判旨を引用することが有効である。
事件番号: 昭和38(あ)1208 / 裁判年月日: 昭和40年2月23日 / 結論: 棄却
いやしくも被告人が団体または多衆の威力を示して、刑法第二二二条の脅迫罪を犯した以上、たとえ、その団体または多衆が合法的な集団であつても、なお、暴力行為等処罰ニ関スル法律第一条第一項の適用を免れない(昭和二四年(れ)第一六二二号同二八年六月一七日大法廷判決、刑集七巻六号一二八九頁参照)。
事件番号: 昭和36(あ)678 / 裁判年月日: 昭和38年5月31日 / 結論: 棄却
刑法第二三四条にいう「業務」の意義に関する原判示は正当である。 (原判示の要旨)刑法第二三四条にいわゆる「業務」とはひろく職業その他継続して従事する事務又は事業であつて社会上の地位として事実上平穏に行われているものを総称するものと解するを相当とする。
事件番号: 昭和30(あ)1817 / 裁判年月日: 昭和35年5月26日 / 結論: 棄却
炭鉱において鉱員と職員とが分かれてそれぞれ労働組合と職員組合とに属している場合に、労働組合のみがストライキ実行中、争議行為に加わつていない職員が就業のため出勤するに際し、労働組合員がスクラムを組み体当りを以つて職員を押し返したときは、威力業務妨害罪を構成する。
事件番号: 昭和39(あ)744 / 裁判年月日: 昭和39年11月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法28条の保障は無制限ではなく、勤労争議において使用者側の自由意思を剥奪し、または極度に抑圧するような暴力的な行為は正当な団体行動権の行使とは認められない。団体交渉において刑法上の暴行罪等に該当する行為が行われた場合、労働組合法1条2項による刑事罰の免責(刑法35条の適用)は受けられない。 第1…