昭和二四年愛知県条例第三〇号(行進又は集団示威運動に関する条例)第五条等が憲法第二一条、第一三条に違反するものでないことは、当裁判所の判例の趣旨に徴し明らかである(昭和二六年(あ)第三一八八号同二九年一一月二四日大法廷判決、刑集八巻一一号一八六六頁・昭和二八年(あ)第四八四一号同三五年七月二〇日大法廷判決、刑集一四巻九号一一九七頁・昭和二七年(あ)第五八六六号同三〇年二月一日第三小法廷判決、刑集九巻二号一一九頁・昭和二七年(あ)第六一〇号同三〇年五月一〇日第三小法廷判決、刑集九巻六号九六七頁参照。)
昭和二四年愛知県条例第三〇号(行進又は集団示威運動に関する条例)第五条等の合憲性。
昭和24年愛知県条例30号(行進又は集団示威運動に関する条例)5条等,昭和25年名古屋市条例21号(行進又は集団示威運動に関する条例の特例に関する条例),憲法21条,憲法13条
判旨
地方自治体の公安条例が、無許可の集団示威運動等の参加者に対し、組織者と同一の法定刑を規定することは、憲法31条の適正手続および実体的な適正に違反しない。
問題の所在(論点)
集団示威運動を規制する公安条例の合憲性、および無許可の示威運動において、単なる「参加者」に「組織者」と同一の法定刑を科すことが、憲法31条が要求する刑罰の適正性(均衡)に反しないか。
規範
地方公共団体が公共の安寧秩序を維持するために制定する条例において、無許可の集団行進や示威運動を処罰の対象とし、かつその法定刑を定めることは、著しく不公平または過酷なものでない限り、立法政策の裁量の範囲内に属し、憲法に違反しない。
重要事実
被告人は、昭和24年愛知県条例第30号(行進又は集団示威運動に関する条例)5条等に基づき、無許可で行われた集団示威運動への参加者として起訴された。同条例5条1項は、無許可の示威運動等の参加者に対し、その組織者と同一の法定刑(1年以下の懲役又は5万円以下の罰金)を規定していた。被告人側は、参加者への処罰および組織者との同一刑罰が憲法21条、13条、31条に違反すると主張して上告した。
事件番号: 昭和46(あ)499 / 裁判年月日: 昭和50年9月25日 / 結論: 棄却
一 行進又は集団示威運動に関する条例(昭和二四年愛知県条例第三〇号)四条三項に基づき公安委員会が条件を付するについては、その条件が集団行動による思想の表現それ自体を事実上制約する結果となる場合でない限り、集団行動自体を不許可にするための要件が存在することを必要としない。 二 集団行動につき公安委員会が付した許可条件に違…
あてはめ
判決によれば、集団行進や示威運動の規制自体は憲法21条等に違反しないとする従来の判例を維持している。その上で、参加者に対して組織者と同一の法定刑を規定している点について検討するに、かかる刑罰の構成は不公平、過酷なものとはいえない。したがって、どのような刑罰を科すかは立法政策の適否の問題に帰着するものであり、法的手続や実体的な正義を定める憲法31条に違反するとは認められない。
結論
愛知県条例5条1項が、無許可の示威運動等の参加者に組織者と同一の刑を規定することは、憲法13条、21条、31条に違反しない。
実務上の射程
公安条例に基づく規制および処罰の合憲性を肯定した判例の一つである。特に憲法31条との関係で、役割の違い(組織者と参加者)があるにもかかわらず法定刑を同一に設定することが立法府の裁量として許容されることを示しており、罪刑均衡の観点からの違憲主張を排斥する際の論拠として使用できる。
事件番号: 昭和48(あ)321 / 裁判年月日: 昭和49年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】日米安保条約の違憲性は、被告人の具体的な行為の違法性判断に影響を及ぼさない限り、上告理由とはならない。また、集団示威運動に関する条例による制約は、憲法21条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は、愛知県条例(行進又は集団示威運動に関する条例)に違反する行為等の罪に問われた。上告審において、弁護…
事件番号: 昭和28(あ)4841 / 裁判年月日: 昭和35年7月20日 / 結論: 棄却
昭和二五年広島市条例第三二号集団行進及び集団示威運動に関する条例は、憲法第二一条、第一一条、第一三条に違反しない。
事件番号: 昭和46(あ)689 / 裁判年月日: 昭和50年9月30日 / 結論: 棄却
一 だ行進やすわり込みは、集団行動による思想の表現のために不可欠のものではなく、これを禁止しても、思想表現行為としての集団行動の本質的意義と価値を失わしめ憲法上保障される表現の自由を不当に制限することにならないから、このような条件に違反したもののうちどの範囲のものを処罰するかは立法政策の問題にすぎない。 二 行進又は集…
事件番号: 昭和47(あ)2146 / 裁判年月日: 昭和50年9月30日 / 結論: 棄却
一 道路交通等保全に関する条例(昭和二四年秋田県条例第二五号)四条三項による許可条件の付与は、現に切迫した公衆に対する危害を防止するためばかりでなく、公衆に対する危害を予防するため公衆に対する危害に発展する可能性のある行為を禁止、制限する場合にも許される。 二 道路交通等保全に関する条例(昭和二四年秋田県条例第二五号)…