公社または指定小売人でない者が指定小売人から売り渡された「製造たばこ」を反覆継続してする意図の下に同一のパチンコ屋に販売したときは、たばこ専売法第二九条第二項に違反することは、当裁判所の判例とするところである(昭和三〇年(あ)第一〇二五号同三二年七月九日第三小法廷決定、刑集一一巻八号二〇五五頁、昭和三三年(あ)第一二六五号同三五年六月二三日第一小法廷判決、刑集一四巻八号一〇八〇頁参照)。
たばこ専売法第二九条第二項に違反するとされた事例。
たばこ専売法29条2項,たばこ専売法71条5号
判旨
日本専売公社または指定小売人でない者が、指定小売人から買い受けた製造たばこを、反復継続の意図をもって特定の相手方に販売する行為は、たばこ専売法第29条第2項(販売の禁止)に違反する。
問題の所在(論点)
たばこ専売法上の「指定小売人」でない者が、適法に流通している製造たばこを入手して特定の相手方に反復販売する行為が、同法29条2項にいう販売禁止規定に抵触するか。
規範
日本専売公社または指定小売人以外の者は、製造たばこを販売してはならない(たばこ専売法29条2項)。ここでいう「販売」に該当するか否かは、客観的な売買の事実に加え、反復継続してこれを行う主観的な意図があるかによって判断される。
重要事実
日本専売公社でも指定小売人でもない被告人が、指定小売人から売り渡された製造たばこを買い受けた。その後、被告人は反復継続して販売する意図の下に、同一のパチンコ屋に対して当該製造たばこを販売した。
あてはめ
被告人は指定小売人等の資格を有していない。また、単発の譲渡ではなく、特定のパチンコ店という相手方に対し、反復継続して販売する意図(営業性)をもって取引を行っている。したがって、その入手経路が指定小売人からの購入であったとしても、被告人による当該行為は同法が禁ずる無許可の「販売」に該当すると評価される。
結論
被告人の行為はたばこ専売法第29条第2項に違反する。したがって、有罪とした原判決は正当である。
実務上の射程
専売制(現在はたばこ事業法による許可制)の下での「販売」概念の解釈を示す。特定の相手方に対する継続的取引であっても、免許のない者が反復継続の意図をもって行えば禁止される「販売」に該当するという射程を持つ。
事件番号: 昭和38(あ)2204 / 裁判年月日: 昭和39年9月9日 / 結論: 棄却
一 公社または指定小売人でない者が、反復継続してする意図のもとに、製造たばこを他に販売する行為は、たばこ専売法第二九条第二項に違反するものであることは、当裁判所の判例とするところであつて、―昭和三三年(お)第一二六号同三五年六月二三日第一小法廷判決、刑集一四巻八号一〇八〇頁・昭和三七年(あ)第四一〇号同三七年九月一三日…