入場税を免かれる意思をもつて入場券の半片を入場者に返さず、これを再度使用し、課税標準額である入場料金を実際の額より過少に申告する行為は、入場税法第二五条第一項第一号の罪に該当する。
入場券の半片を入場者に返さず、これを再度使用し、入場料金を過少に申告する行為と入場税法第二五条第一項第一号の罪。
入場税法10条,入場税法19条1項,入場税法19条6項,入場税法25条1項1号,入場税法26条1号,入場税法26号3号
判旨
入場税を免れる意思をもって、入場券の半片を返還せずに再利用し、課税標準額を過少に申告する行為は、入場税法上の脱税罪(同法25条1項1号)を構成する。
問題の所在(論点)
入場税を免れる目的で入場券を再利用し、売上を過少に申告する行為が、旧入場税法25条1項1号の「偽りその他不正の行為により入場税を免れた」罪に該当するか。
規範
特定の税目を免れる主観的意図(脱税の意思)に基づき、課税の基礎となる事実を秘匿・偽装して、本来の課税標準額よりも過少に申告を行う行為は、当該税法における脱税罰則の構成要件に該当する。
重要事実
被告人両名は、入場税を免れる意思に基づき、入場者から回収すべき入場券の半片を入場者に返さずに回収・保管した。その上で、回収した半片を再度他の入場者に使用させるという不正な手法を用いた。結果として、実際の入場料金(課税標準額)を実際の額よりも過少に算定し、申告を行った。
あてはめ
被告人らは、入場税を免れる意思を有していた。客観的事実として、入場券の半片を返還せず再使用するという「不正の行為」を行っている。これにより、本来申告すべき課税標準額を実際の額より過少に申告した。この一連の行為は、同法が禁止する脱税行為の典型であるといえる。
結論
被告人らの行為は、入場税法25条1項1号の罪に該当する。原審の判断は正当であり、上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
租税法における「偽りその他不正の行為」の解釈において、帳簿の改ざんだけでなく、証憑(入場券等)の再利用といった物理的な不正手段と過少申告の組み合わせが同罪を構成することを確認した事例として活用できる。
事件番号: 昭和24(れ)1982 / 裁判年月日: 昭和27年10月3日 / 結論: 棄却
一 入場税法(昭和一五年法律第四四号)第一六条第一項の逋脱犯の事実摘示として「昭和二二年一〇月一四日から同月二六日迄の間甲府税務署の検察済証印を受けない入場券を発売しその売上高を正規の帳簿に記入せず且つ入場税課税標準申告書に不正の記載をなして甲府税務署長に提出して入場税金二万五千二百円を逋脱し」と判示してあつても、不正…