入場税法(昭和二三年法律第一一〇による廃止前のもの)第一六条第一項にいわゆる「詐欺其ノ多不正ノ行為ニ依リ入場税ヲ逋税セントシ」というのは、入場税の逋脱を目的とする行為に着手したが、まだ逋脱の結果が生じていないことを指称し、いやしくも入場税額を過少にする目的をもつて入場税の対象となるべき売上金の一部を別途金として取り除き、これを所轄税務官史の検査に供すべき所定の帳簿等に記載しなかつたというようなことをすれば、その行為は右にいわゆる「入場税ヲ逋脱セントシ」たものに外ならない。
入場税法(昭和二三年法律第一一〇号による廃止前のもの)第一六条第一項にいわゆる「詐欺其ノ他不正ノ行為ニ依リ入場税ヲ逋脱セントシ」の意義
入場税法(昭和23年法律110号による廃止前のもの)16条1項
判旨
入場税の逋脱(ほだつ)罪における「逋脱せんと欲し」という主観的要件の解釈について、原審の判断に違法はない。脱税の目的をもって不正な手段を用いる主観的態様があれば、本罪の成立を認めることができる。
問題の所在(論点)
旧入場税法等における「入場税を逋脱せんと欲し」という主観的要件の意義および解釈が問題となる。
規範
「入場税ヲ逋脱セントシ」という要件については、単なる納税の不履行に留まらず、不正な手段を用いて意図的に納税を免れようとする主観的意図(脱税の目的)が必要であると解される。
重要事実
被告人が入場税を免れる目的をもって、何らかの不正行為(詳細は判決文からは不明)を行い、入場税の逋脱を図ったとして起訴された事案。第一審および控訴審は有罪判決を下した。これに対し、被告人側は「入場税ヲ逋脱セントシ」という要件の解釈に誤りがあること、および事実誤認があることを理由に上告した。
あてはめ
最高裁は、原判決が「入場税ヲ逋脱セントシ」という文言を解釈した内容を正当なものとして是認した。具体的な事実は判決文からは不明であるが、記録を精査しても刑訴法411条(判決に影響を及ぼすべき著しい誤認等)を適用すべき事由は認められないと判断し、原審の認定・評価を維持した。
結論
本件上告は棄却される。原審の解釈および事実認定に、上告理由となるような違法はない。
実務上の射程
本判決は、租税刑法における「逋脱」の主観的要件について、原審の解釈を是認するものである。答案上では、脱税罪の成立要件としての『故意』や『目的』を論ずる際、単なる不納付とは区別された意図的な免脱行為が必要であるという文脈で参照し得る。
事件番号: 昭和26(れ)1452 / 裁判年月日: 昭和32年11月27日 / 結論: 棄却
一 地方税法(昭和二三年法律第一一〇号)第一五一条第三項の「入場税法の廃止前になした行為に関する罰則の適用については、なお、従前の例による」との規定は、従前の行為に関する限り、旧入場税法(昭和二二年法律第一四二号による改正前のもの)の刑罰規定については何等変更なきことを規定したものと解すべきである。 二 同種の犯行につ…