上告棄却決定に対する意義の申立をするには、三日以内に申立書を差し出さなければならないところ、起訴手続の明確を帰する趣旨から見れば、電報はここにいう申立書に該当しないものと解するのが相当である。
電報による上告棄却決定に対する意義申立の適否。
刑訴法414条,刑訴法386条2項,刑訴法385条2項,刑訴法422条,刑訴法423条1項
判旨
上告棄却決定に対する異議申立は3日以内に申立書を差し出して行う必要があり、電報は「申立書」には該当しない。したがって、期間内に電報でなされた申立は不適法であり、期間経過後の書面提出も有効な追完とは認められない。
問題の所在(論点)
上告棄却決定に対する異議申立において、法定の申立期間内になされた電報による申立が、刑事訴訟法上の適法な方式(申立書の提出)として認められるか。
規範
刑事訴訟法414条、386条2項、385条2項、422条、423条1項の規定によれば、上告棄却決定に対する異議申立は3日以内に申立書を差し出すことを要する。訴訟手続の明確性を確保する趣旨から、電報は法に定める「申立書」に該当しないと解するのが相当である。
重要事実
申立人は、被告人に対する上告棄却決定(昭和35年1月14日宣告)に対し、同月17日に電報により異議の申立を行った。その後、同月19日に「異議申立書」と題する書面を提出した。
事件番号: 昭和45(す)278 / 裁判年月日: 昭和45年12月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、内容に誤りがない住居記載の訂正のみを求める申立ては不適法である。 第1 事案の概要:傷害、暴行被告事件について、最高裁判所が上告棄却の決定を下した。これに対し弁護人が「判決訂正申立」という標題の書面を提出したが、その内容は裁判の判断内容そ…
あてはめ
本件において、1月17日の電報による申立は、法が要求する「申立書」の差し出しという方式を欠いており、法令上の方式に違反する。また、1月19日の書面提出は、決定の宣告から3日の期間を徒過しており、期間内に適法な申立があったとはいえない。
結論
本件異議申立は不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
訴訟行為における書面主義の厳格性を確認した判例である。電報、電話、ファックス、メール等の代替手段が、明文で「書面」や「申立書」とされている場合に該当するか否かの判断基準(訴訟手続の明確性)として機能する。
事件番号: 昭和45(す)315 / 裁判年月日: 昭和46年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした上告棄却の決定に対する異議の申立てにおいて、申立書に具体的な理由の記載がなく、かつ法定の異議申立期間内に理由書が提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対する道路交通法違反等の事件について、最高裁判所が上告棄却の決定をした。これに対し、…
事件番号: 昭和42(す)343 / 裁判年月日: 昭和42年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する異議申立てにおいて、申立てに理由がない場合、または申立期間を経過した不適法なものである場合は、いずれも棄却される。 第1 事案の概要:被告人AおよびBは、傷害、逮捕、恐喝等の罪に問われ、最高裁判所(昭和41年(あ)第2544号)により上告棄却の決定を受けた。これに対…
事件番号: 昭和45(す)258 / 裁判年月日: 昭和45年11月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、これを異議の申立てと解釈した場合であっても、法定の申立期間を経過した後になされたものは不適法として棄却される。 第1 事案の概要:業務上横領被告事件につき、最高裁判所が昭和45年10月15日に上告棄却の決定を下した。これに対し、申立人は「…
事件番号: 昭和57(す)156 / 裁判年月日: 昭和57年8月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】電報は刑事訴訟法423条に規定される「申立書」には該当せず、電報による異議の申立ては不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所がした上告棄却の決定に対し、特別抗告をする旨の電報を送付した。裁判所は、これを決定に対する異議の申立てと解した上で、電報が申立書に該当するかを判断した。 第2 …