判旨
最高裁判所の上告棄却決定に対する判決訂正の申立ては許されず、これを異議の申立てと解釈した場合であっても、法定の申立期間を経過した後になされたものは不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
最高裁判所が行った上告棄却の『決定』に対し、判決訂正の申立てをすることができるか。また、これを異議の申立てと解釈した場合、期間経過後の申立ての適否が問題となる。
規範
最高裁判所の決定に対する不服申立てについては、判決訂正の申立て(刑事訴訟法415条)をすることは認められない。また、決定に対する異議の申立て(同法414条、386条2項等)を行う場合には、法定の不服申立期間を遵守しなければならず、期間経過後になされた申立ては不適法である。
重要事実
業務上横領被告事件につき、最高裁判所が昭和45年10月15日に上告棄却の決定を下した。これに対し、申立人は「判決訂正申立」という標題で不服を申し立てた。しかし、この申立ては、最高裁判所の決定があった日から、刑事訴訟法422条等に定める期間を経過した後の昭和45年11月5日近辺(決定日)に行われたものであった。
あてはめ
まず、本件は判決ではなく『決定』に対する不服申立てであるから、判決訂正の申立てをすることは許されない。もっとも、裁判所は申立人の真意を汲み取り、これを『異議の申立て』と認めて判断したが、本件申立ては刑事訴訟法414条、386条2項、385条2項、422条に定める法定期間を徒過してなされたものである。したがって、不服申立ての適法要件を欠いているといえる。
結論
本件申立ては不適法であるから、棄却を免れない。
実務上の射程
事件番号: 昭和45(す)278 / 裁判年月日: 昭和45年12月3日 / 結論: 棄却
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最高裁の「決定」に対する判決訂正申立ての不可と、異議申立ての期間制限を厳格に解釈した事例である。実務上、上告棄却決定に対する救済策が限定的であること、及び期間管理の重要性を示すものとして位置づけられる。
事件番号: 昭和25(あ)2133 / 裁判年月日: 昭和25年12月26日 / 結論: 棄却
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