判旨
最高裁判所がした裁判官に対する忌避申立却下の決定に対し、法律上、異議申立てを許す規定は存在しないため、かかる申立ては不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所がした裁判官に対する忌避申立却下の決定に対し、異議の申立てをすることが認められるか。刑事訴訟法上の異議申立ての可否が論点となる。
規範
最高裁判所の決定に対する不服申立てについては、法に明文の規定がない限り、異議の申立て(刑事訴訟法428条2項参照)を含め、これを認めることはできない。
重要事実
被告人Aら7名は、日米行政協定に伴う刑事特別法違反事件において、最高裁判所裁判官斎藤悠輔に対する忌避の申立てを行った。最高裁判所は昭和34年6月25日にこの忌避申立てを却下する決定を下したが、これに対し被告人側から異議の申立てがなされた。
あてはめ
刑事訴訟法上、裁判所の決定に対して不服がある者は抗告をなしうるのが原則であるが、最高裁判所の決定については不服申立方法としての抗告は想定されていない。また、決定に対する異議の申立てについても、法に特別の規定がある場合に限定される。本件における「最高裁判所がした忌避申立却下決定」について検討すると、これを不服として異議を申し立てることを許容する明文の規定は存在しない。したがって、法律上の根拠を欠く不服申立てといえる。
結論
最高裁判所の忌避申立却下決定に対し異議申立てを許す規定は存在しないため、本件異議の申立ては棄却される。
実務上の射程
最高裁判所の判断(終局判断のみならず付随的決定を含む)に対する不服申立ての制限を確認したものである。司法試験においては、刑事訴訟法上の救済手段の有無を検討する際、特に最高裁の判断に対する不服申立ての不可能性(法的根拠の必要性)を論じる際の基礎資料となる。
事件番号: 昭和38(す)348 / 裁判年月日: 昭和38年10月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした裁判官忌避申立却下の決定に対しては、刑事訴訟法上、異議の申立てをなすことは許されない。 第1 事案の概要:申立人は、被告人両名に対する暴力行為等処罰に関する法律違反等被告事件において、最高裁判所がなした裁判官忌避申立却下決定(昭和38年(す)第324号)に対し、不服として異議の申立…
事件番号: 昭和38(す)347 / 裁判年月日: 昭和38年10月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした裁判官忌避申立却下決定に対し、異議の申立をすることは法的に許容されない。 第1 事案の概要:暴力行為等処罰に関する法律違反等被告事件に関し、申立人らが裁判官の忌避を申し立てたところ、昭和38年10月4日に最高裁判所が忌避申立を却下する決定を下した。これに対し、申立人らがさらに異議の…
事件番号: 昭和34(し)28 / 裁判年月日: 昭和34年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした決定に対しては、刑事訴訟法上の特別抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第3条に基づく行政協定に伴う刑事特別法違反被告事件において、最高裁判所が被告人らの弁護人の数を制限する決定を下した。これに対し、弁護人らが当該決定を不服…
事件番号: 昭和34(し)26 / 裁判年月日: 昭和34年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした決定に対しては、刑事訴訟法上、特別抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:被告人A、B、Cに対する刑事特別法違反被告事件において、最高裁判所が昭和34年4月28日に被告人の弁護人の数を制限する決定を下した。これに対し、弁護人側が当該決定を不服として特別抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和38(す)346 / 裁判年月日: 昭和38年10月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした裁判官忌避申立ての却下決定に対し、異議の申立てをすることは許されない。 第1 事案の概要:申立人らは、被告人らに対する暴力行為等処罰ニ関スル法律違反等被告事件に関し、最高裁判所が昭和38年10月4日付で行った裁判官忌避申立却下決定に対し、異議の申立てを行った。 第2 問題の所在(論…