判旨
最高裁判所がした決定に対しては、刑事訴訟法上の特別抗告を申し立てることは許されない。
問題の所在(論点)
最高裁判所が下した決定に対し、刑事訴訟法433条に基づく特別抗告を申し立てることが認められるか。
規範
最高裁判所のした決定に対しては、刑事訴訟法上の特別抗告(同法433条)の申立ては許されない。
重要事実
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第3条に基づく行政協定に伴う刑事特別法違反被告事件において、最高裁判所が被告人らの弁護人の数を制限する決定を下した。これに対し、弁護人らが当該決定を不服として最高裁判所に特別抗告を申し立てた事案である。
あてはめ
刑事訴訟法433条は、高等裁判所がした決定等で抗告ができないものに対し、憲法違反等を理由として最高裁判所に申し立てる特別抗告を規定している。本件において申立ての対象となっているのは最高裁判所自身がした決定である。過去の判例(昭和30年10月31日決定)の趣旨に照らせば、最高裁判所の決定は終局的なものであり、これに対してさらに特別抗告を行う制度上の根拠は存在しないと解される。
結論
本件特別抗告は許されないため、刑事訴訟法434条、426条1項により棄却される。
実務上の射程
最高裁判所の判断(決定・命令)に対する不服申立ての可否を論じる際の根拠となる。刑事手続における不服申立ての終局性を基礎づける判断であり、特別抗告の対象が「高等裁判所の決定」等に限られることを確認する場面で活用できる。
事件番号: 昭和34(し)26 / 裁判年月日: 昭和34年6月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした決定に対しては、刑事訴訟法上、特別抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:被告人A、B、Cに対する刑事特別法違反被告事件において、最高裁判所が昭和34年4月28日に被告人の弁護人の数を制限する決定を下した。これに対し、弁護人側が当該決定を不服として特別抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和34(す)198 / 裁判年月日: 昭和34年7月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がした裁判官に対する忌避申立却下の決定に対し、法律上、異議申立てを許す規定は存在しないため、かかる申立ては不適法である。 第1 事案の概要:被告人Aら7名は、日米行政協定に伴う刑事特別法違反事件において、最高裁判所裁判官斎藤悠輔に対する忌避の申立てを行った。最高裁判所は昭和34年6月25…
事件番号: 昭和30(す)350 / 裁判年月日: 昭和30年10月31日 / 結論: 棄却
最高裁判所のした上告棄却決定に対しては特別抗告は許されない。
事件番号: 昭和30(す)194 / 裁判年月日: 昭和30年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした特別抗告棄却決定に対しては、更なる不服申立ては許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、公職選挙法違反被告事件に関して最高裁判所がなした特別抗告棄却決定(昭和30年6月7日付)に対し、さらに重ねて特別抗告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所が下した特別抗告棄却決定…
事件番号: 昭和34(あ)710 / 裁判年月日: 昭和34年8月4日 / 結論: その他
刑訴規則第二五四条の跳躍上告事件において、審判を迅速に終結せしめる必要上、被告人の選任すべき弁護人の数を制限したところ、その後公判期日および答弁書の提出期日がきまり、かつ弁護人が公判期日に弁論をする弁護人の数を自主的に○人以内に制限する旨申し出たため、審理を迅速に終結せしめる見込がついたときは、刑訴第三五条但書の特別の…