最高裁判所のした上告棄却決定に対しては特別抗告は許されない。
上告棄却決定に対し特別抗告が許されるか
刑訴法433条,裁判所法7条
判旨
最高裁判所がした上告棄却の決定に対しては、刑事訴訟法上、特別抗告を申し立てることは許されない。また、当該申立てを異議の申立てとみなす場合であっても、法定の申立期間を経過した後は不適法となる。
問題の所在(論点)
最高裁判所がした上告棄却決定に対し、特別抗告を申し立てることが許されるか。また、これを異議の申立てとみなした場合の適法性はどのように判断されるか。
規範
最高裁判所の決定に対する不服申立てについては、法に特別の定めがない限り特別抗告をすることは認められない。また、決定に対する異議の申立て(刑事訴訟法428条2項参照)についても、法定の申立期間(同法415条2項、428条3項準用等)を厳守する必要がある。
重要事実
公職選挙法違反被告事件について、最高裁判所は昭和30年10月5日に上告棄却の決定を下した。これに対し、申立人は当該決定を不服として特別抗告を申し立てた。なお、当該申立ては決定から3日の期間を経過した後になされたものであった。
あてはめ
事件番号: 昭和30(す)194 / 裁判年月日: 昭和30年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした特別抗告棄却決定に対しては、更なる不服申立ては許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、公職選挙法違反被告事件に関して最高裁判所がなした特別抗告棄却決定(昭和30年6月7日付)に対し、さらに重ねて特別抗告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所が下した特別抗告棄却決定…
最高裁判所は終審裁判所であり、その決定に対してさらに特別抗告を申し立てる制度は存在しない。したがって、本件特別抗告の申立ては不適当である。次に、これを異議の申立てとみなしたとしても、異議の申立てには3日の期間制限があるところ、本件申立てはその期間を経過した後になされたものであるから、不適法と言わざるを得ない。
結論
本件特別抗告を棄却する。最高裁判所の決定に対する特別抗告は認められず、異議の申立てとしても期間徒過により不適法である。
実務上の射程
最高裁の決定に対する不服申立ての限界を示す判例である。答案上は、裁判確定手続における準再審や異議の申立ての可否、期間制限を論じる際の基礎知識として利用される。
事件番号: 昭和30(す)166 / 裁判年月日: 昭和30年6月7日 / 結論: 棄却
申立人に対する公職選挙法違反被告事件について当裁判所のした特別抗告棄却決定に対し、申立人から更に特別抗告の申立があつたが、最高裁判所のした右のごとき決定に対してはもはや特別抗告は許されないものである。
事件番号: 昭和42(す)197 / 裁判年月日: 昭和42年7月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした上告棄却の決定に対しては、法律上抗告の申し立てをすることは許されず、また異議の申し立てと解する場合であっても法定の期間経過後になされたものは不適法である。 第1 事案の概要:被告人は、公職選挙法違反被告事件における最高裁判所の上告棄却決定(昭和42年5月25日付)に対し、特別抗告…
事件番号: 昭和41(し)43 / 裁判年月日: 昭和41年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公訴棄却を求める申立ては裁判所の職権発動を促すものにすぎず、却下決定に対しては終局裁判に対する上訴によって不服を申し立てるべきであるから、特別抗告の対象とはならない。 第1 事案の概要:申立人が、裁判所に対し公訴棄却を求める申立てを行ったところ、裁判所がこれを却下する旨の決定をした。これに対し、申…
事件番号: 昭和57(し)100 / 裁判年月日: 昭和57年9月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立書に具体的な抗告理由の記載がなく、かつ抗告提起期間内に理由書が提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:抗告人は、特別抗告の申立書に「原決定には刑訴法405条に規定する事由がある。抗告事由は追って提出する。」旨を記載したのみで、具体的な理由を明示し…