判旨
最高裁判所がなした上告棄却の決定に対しては、法律上抗告の申し立てをすることは許されず、また異議の申し立てと解する場合であっても法定の期間経過後になされたものは不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所がなした上告棄却決定に対し、不服申し立てとして特別抗告を行うことが法律上許されるか。また、これを異議の申し立てと解した場合の適法要件が問題となる。
規範
最高裁判所の決定に対する不服申し立ての可否について、法律上抗告は認められない。また、当該決定に対する異議の申し立て(刑訴法414条、386条2項等参照)を行う場合であっても、法定の期間(同422条等)を遵守しなければならない。
重要事実
被告人は、公職選挙法違反被告事件における最高裁判所の上告棄却決定(昭和42年5月25日付)に対し、特別抗告を申し立てた。しかし、この申し立ては最高裁判所の決定に対してなされたものであり、かつ異議の申し立てとして見た場合にも、法定の期間を経過した後に提出されたものであった。
あてはめ
まず、最高裁判所の決定に対して抗告を申し立てることは、現行法上これを認める規定が存在しないため、法律上許されない。次に、本件申し立てを仮に原決定に対する異議の申し立てと解釈したとしても、刑訴法414条、386条2項、385条2項、および422条が定める期間が既に経過している。したがって、期間経過後になされた不服申し立ては手続き上の要件を欠いているといえる。
結論
本件申し立ては法律上許されないか、または期間経過後の申し立てとして不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
最高裁の終局的判断に対する不服申し立ての限界を示すものである。実務上、最高裁の決定に対する「抗告」が不可避的に棄却されること、および異議申し立てには厳格な期間制限があることを確認する際に参照される。
事件番号: 昭和30(す)350 / 裁判年月日: 昭和30年10月31日 / 結論: 棄却
最高裁判所のした上告棄却決定に対しては特別抗告は許されない。
事件番号: 昭和57(し)100 / 裁判年月日: 昭和57年9月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立書に具体的な抗告理由の記載がなく、かつ抗告提起期間内に理由書が提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:抗告人は、特別抗告の申立書に「原決定には刑訴法405条に規定する事由がある。抗告事由は追って提出する。」旨を記載したのみで、具体的な理由を明示し…
事件番号: 昭和41(し)43 / 裁判年月日: 昭和41年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公訴棄却を求める申立ては裁判所の職権発動を促すものにすぎず、却下決定に対しては終局裁判に対する上訴によって不服を申し立てるべきであるから、特別抗告の対象とはならない。 第1 事案の概要:申立人が、裁判所に対し公訴棄却を求める申立てを行ったところ、裁判所がこれを却下する旨の決定をした。これに対し、申…
事件番号: 昭和30(す)166 / 裁判年月日: 昭和30年6月7日 / 結論: 棄却
申立人に対する公職選挙法違反被告事件について当裁判所のした特別抗告棄却決定に対し、申立人から更に特別抗告の申立があつたが、最高裁判所のした右のごとき決定に対してはもはや特別抗告は許されないものである。
事件番号: 昭和30(す)194 / 裁判年月日: 昭和30年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした特別抗告棄却決定に対しては、更なる不服申立ては許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、公職選挙法違反被告事件に関して最高裁判所がなした特別抗告棄却決定(昭和30年6月7日付)に対し、さらに重ねて特別抗告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):最高裁判所が下した特別抗告棄却決定…