申立書に具体的な抗告理由の記載がなく、期間内に理由書の提出もないとして、特別抗告の申立が不適法とされた事例
判旨
特別抗告の申立書に具体的な抗告理由の記載がなく、かつ抗告提起期間内に理由書が提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
特別抗告の申立てにおいて、申立書に具体的な理由の記載がなく、かつ抗告提起期間内に理由書の提出がない場合に、当該申立てが適法なものとして受理され得るか。
規範
刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、申立書自体に具体的な抗告理由の記載を欠き、かつ、法が定める抗告提起期間(5日)内に理由を補完する書面(理由書)の提出もない場合、申立ての手続が法律上の方式に違反するものとして、不適法と判断される(同法434条、426条1項準用)。
重要事実
抗告人は、特別抗告の申立書に「原決定には刑訴法405条に規定する事由がある。抗告事由は追って提出する。」旨を記載したのみで、具体的な理由を明示しなかった。その後、抗告提起期間が経過したものの、具体的な理由を記した理由書の提出もなされなかった。
あてはめ
本件申立書には、単に「刑訴法405条に規定する事由がある」との形式的な文言があるのみで、何ら具体的な事由が示されていない。さらに、申立人は理由を追って提出する旨を留保しながら、法定の抗告提起期間内にこれを提出していない。したがって、申立てに必要な実質的要件を期間内に備えたとは認められず、申立ての方式に違反するといえる。
結論
本件申立ては不適法であるため、棄却を免れない。
事件番号: 昭和42(す)197 / 裁判年月日: 昭和42年7月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした上告棄却の決定に対しては、法律上抗告の申し立てをすることは許されず、また異議の申し立てと解する場合であっても法定の期間経過後になされたものは不適法である。 第1 事案の概要:被告人は、公職選挙法違反被告事件における最高裁判所の上告棄却決定(昭和42年5月25日付)に対し、特別抗告…
実務上の射程
特別抗告や再審請求等の不服申立手続において、期間制限と理由記載義務の関係を厳格に捉える実務上の運用を裏付けるものである。特に、申立書で「理由は後日提出する」と予備的に記載したとしても、法定期間を徒過すれば救済されないという手続的厳格性を示す指標となる。
事件番号: 昭和53(し)43 / 裁判年月日: 昭和53年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告において、抗告申立書に具体的な理由の記載がなく、かつ抗告期間内に理由書が提出されない場合には、申立は不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人らは、原決定に対し特別抗告を申し立てた。申立書には「抗告理由の詳細は近く抗告理由書を提出するが、要するに刑訴法405条、411条所定事由を理…
事件番号: 昭和30(す)350 / 裁判年月日: 昭和30年10月31日 / 結論: 棄却
最高裁判所のした上告棄却決定に対しては特別抗告は許されない。
事件番号: 昭和47(し)91 / 裁判年月日: 昭和47年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告において、期限後に提出された理由の追加補充については、裁判所は判断を加える必要がない。 第1 事案の概要:抗告人が、憲法37条違反および判例違反を理由として特別抗告を提起した事案。抗告人は、抗告提起後、昭和47年11月15日付で特別抗告の理由の追加補充を提出したが、これは提出期限を過ぎたも…
事件番号: 昭和28(し)55 / 裁判年月日: 昭和28年9月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立書に「原決定に対し全部不服である」旨のみを記載し、抗告の趣旨(具体的な不服の理由)を記載しない場合は、申立ての手続が不適法であり、棄却を免れない。 第1 事案の概要:被告人Aに対する公職選挙法違反被告事件において、弁護人が行った裁判官に対する忌避申立てが却下された。これに対する準抗告…