判例違反の主張が事案を異にする判例を引用するものとされた事例(証拠開示)
判旨
特別抗告において、期限後に提出された理由の追加補充については、裁判所は判断を加える必要がない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法上の特別抗告(433条)において、期限後に提出された理由の追加補充に対し、裁判所は判断を示す義務を負うか。
規範
刑事訴訟法に基づく特別抗告の手続において、法定の期間経過後に提出された理由の追加補充は、不適法なものとして裁判所の判断対象とならない。
重要事実
抗告人が、憲法37条違反および判例違反を理由として特別抗告を提起した事案。抗告人は、抗告提起後、昭和47年11月15日付で特別抗告の理由の追加補充を提出したが、これは提出期限を過ぎたものであった。
あてはめ
本件において提出された憲法37条違反の主張は、実質的には単なる法令違反の主張にすぎず、また判例違反の主張も本件とは事案を異にする判例を引用するものであった。これらは刑事訴訟法433条の抗告理由に該当しない。さらに、昭和47年11月15日付の理由追加補充については、期限後になされたものであることが明らかである。したがって、適法な抗告理由としての要件を欠いている。
結論
期限後に提出された理由の追加補充には判断を加えず、本件抗告を棄却する。
事件番号: 昭和40(し)82 / 裁判年月日: 昭和40年11月27日 / 結論: 棄却
申立人提出の昭和四〇年一〇月二二日付「回答」と題する書面によれば、抗告理由の追加記載が認められるけれども、右は抗告提起期間経過後提出にかかる不適法なものにつき、これに対しては判断を要しない。(昭和三四年(し)第一四号同年四月一三日第三小法廷決定、刑集一三巻四号四四八頁参照。)
実務上の射程
刑事手続における上訴の理由書提出期限の遵守は厳格に求められる。実務上、期限後の補充は「裁判所の職権発動を促す」意味しか持たず、本決定のように判断対象から除外されるリスクがあるため、答案上も手続的要件の重要性を指摘する際に参照し得る。
事件番号: 昭和27(し)41 / 裁判年月日: 昭和28年6月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が決定を下すに当たり、憲法に違反する憲法解釈上の誤りや、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令違反が認められない場合には、特別抗告を棄却すべきである。本件においては、憲法違反を主張する抗告人の主張に理由がないとして、特別抗告を棄却した。 第1 事案の概要:抗告人が、原決定に対して特別抗告を申し…
事件番号: 昭和29(し)61 / 裁判年月日: 昭和29年11月30日 / 結論: 棄却
抗告人は昭和二九年二月二七日山梨県東八代郡a村bの自宅において同月六日附で東京高裁第一刑事部のした控訴趣意書の所定期日内不提出を理由とする控訴棄却決定の送達を受けたが、これに対する刑訴三八六条二項に基く異議の申立書は同年三月一〇日附で同月一二日に東京高等裁判所に到達しているに過ぎない。右規定による異議の申立には即時抗告…
事件番号: 昭和53(し)43 / 裁判年月日: 昭和53年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告において、抗告申立書に具体的な理由の記載がなく、かつ抗告期間内に理由書が提出されない場合には、申立は不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人らは、原決定に対し特別抗告を申し立てた。申立書には「抗告理由の詳細は近く抗告理由書を提出するが、要するに刑訴法405条、411条所定事由を理…
事件番号: 昭和57(し)26 / 裁判年月日: 昭和57年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(刑訴法433条)は、対象となる決定又は命令に対し、法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能な状況にあった。しかし、申立人は通…