申立人提出の昭和四〇年一〇月二二日付「回答」と題する書面によれば、抗告理由の追加記載が認められるけれども、右は抗告提起期間経過後提出にかかる不適法なものにつき、これに対しては判断を要しない。(昭和三四年(し)第一四号同年四月一三日第三小法廷決定、刑集一三巻四号四四八頁参照。)
特別抗告申立理由の追加が抗告提起期間経過後の提出にかかる場合の判断の要否。
刑訴法433条,刑訴法434条,刑訴法426条1項
判旨
特別抗告において、抗告提起期間経過後に提出された抗告理由の追加記載は、不適法なものとして判断を要しない。
問題の所在(論点)
特別抗告において、抗告提起期間経過後に提出された「抗告理由の追加記載」が適法なものとして裁判所の判断対象となるか。
規範
刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、抗告の理由は抗告提起期間内に提出されるべきであり、同期間経過後に提出された理由の追加記載については、裁判所は判断を下す義務を負わない。
重要事実
申立人は原決定に対し、刑事訴訟法433条所定の事由を理由として特別抗告を申し立てた。しかし、申立書には当初適法な理由の記載がなく、抗告提起期間が経過した後の昭和40年10月22日になってから「回答」と題する書面で抗告理由の追加を行った。
事件番号: 昭和47(し)91 / 裁判年月日: 昭和47年11月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告において、期限後に提出された理由の追加補充については、裁判所は判断を加える必要がない。 第1 事案の概要:抗告人が、憲法37条違反および判例違反を理由として特別抗告を提起した事案。抗告人は、抗告提起後、昭和47年11月15日付で特別抗告の理由の追加補充を提出したが、これは提出期限を過ぎたも…
あてはめ
申立人が提出した当初の抗告趣意は、刑事訴訟法433条所定の事由を何ら主張するものではなかった。また、後に提出された理由の追加記載は、抗告提起期間が経過した後に提出されたものである。最高裁判所の判例(昭和34年4月13日決定)に照らせば、期間経過後の追加記載は不適法といえる。したがって、当該追加記載に対して判断を示す必要はないものと解される。
結論
本件抗告を棄却する。期間経過後の理由追加は不適法であり、判断を要しない。
実務上の射程
特別抗告のみならず、上告趣意書の提出期限を徒過した後の理由追加の制限など、刑事手続における期間制限と不服申立ての適法性に関する一般原則として機能する。答案上は、理由書等の提出期限の法的性質(不変期間的性格)を論じる際の論拠となり得る。
事件番号: 昭和53(し)43 / 裁判年月日: 昭和53年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告において、抗告申立書に具体的な理由の記載がなく、かつ抗告期間内に理由書が提出されない場合には、申立は不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人らは、原決定に対し特別抗告を申し立てた。申立書には「抗告理由の詳細は近く抗告理由書を提出するが、要するに刑訴法405条、411条所定事由を理…
事件番号: 昭和50(し)38 / 裁判年月日: 昭和50年6月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく最高裁判所への特別抗告は、対象となる決定等に対して他に不服申立ての手段がない場合に限り許容される。高等裁判所への通常抗告が可能な決定に対し、これを経ずに直接最高裁判所へ抗告することは不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、原決定(詳細は判決文からは不明)に対し、刑事訴…
事件番号: 昭和43(し)85 / 裁判年月日: 昭和43年11月13日 / 結論: 棄却
在監者の上訴申立に関する刑訴法第三六六条第一項は、いわゆる審判請求事件についてされた抗告棄却の決定に対し、右請求をした在監者が特別抗告の申立書を差し出す場合には準用ないし類推適用されないものと解すべきである。
事件番号: 昭和57(し)26 / 裁判年月日: 昭和57年3月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告(刑訴法433条)は、対象となる決定又は命令に対し、法上他に不服を申し立てることができない場合に限り許容される。 第1 事案の概要:申立人は、原決定に対し、刑訴法419条および421条に基づき、高等裁判所に対して通常の抗告をすることが可能な状況にあった。しかし、申立人は通…