累犯加重に関する刑法第五六条、第五七条は憲法第一四条の規定に違反するものではないこと既に当裁判所の判例とするところである(昭和二四年新(れ)第八八号、同二五年一月二四日第三小法廷判決、集四巻一号五四頁、並びにその引用にかかる昭和二三年(れ)第四三五号、同年一〇月六日大法廷判決、集二巻一一号一二七五頁参照)。
刑法第五六条、第五七条と憲法第一四条。
刑法56条,刑法57条,憲法14条
判旨
有罪判決を受けた被告人に証人尋問等の訴訟費用を負担させる刑事訴訟法181条の規定は、憲法37条2項が保障する被告人の証人尋問権を侵害するものではなく、憲法14条や11条にも違反しない。
問題の所在(論点)
有罪判決を受けた被告人に訴訟費用の負担を命ずる刑事訴訟法181条の規定は、憲法37条2項、11条等に違反するか。また、刑法上の累犯加重規定は憲法14条に違反するか。
規範
憲法37条2項は被告人に証人喚問権を保障しているが、これは有罪の言渡しを受けた被告人に対し、その証人の喚問に要した費用の負担を命ずることを禁ずる趣旨ではない。また、累犯加重規定(刑法56条、57条)についても平等原則を定めた憲法14条に反するものではない。
重要事実
被告人は刑事裁判において有罪の言渡しを受け、その際、証人尋問に要した費用等の訴訟費用について刑事訴訟法181条に基づき負担を命じられた。被告人側は、訴訟費用の負担命令が証人尋問権を規定する憲法37条2項や基本的人権を定める憲法11条に違反し、また累犯加重が憲法14条に違反すると主張して上告した。
事件番号: 昭和27(あ)6595 / 裁判年月日: 昭和28年4月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法37条2項は、有罪判決を受けた被告人に対し、証人喚問に要した費用の負担を命ずることを禁じた趣旨ではない。 第1 事案の概要:被告人が有罪判決を受けた際、判決において証人の喚問に要した費用の負担を命じられた。被告人側は、このような費用の負担を命ずることは、憲法37条2項が保障する「公費で証人を得…
あてはめ
最高裁判例の趣旨に照らせば、被告人が有罪判決を受けた場合に訴訟費用を負担させることは、憲法が保障する防御権や証人喚問権の本質を損なうものではない。したがって、刑事訴訟法181条を適用して証人尋問費用を負担させることは違憲といえない。また、累犯加重規定についても、合理的な根拠に基づく差別化であるため憲法14条に違反しないものと解される。
結論
本件訴訟費用の負担命令および累犯加重規定の適用は、憲法各条項に違反せず、上告は棄却される。
実務上の射程
刑事被告人の訴訟費用負担の合憲性を肯定する重要な先例である。答案上は、被告人の証人尋問権(憲法37条2項)の解釈において、手続上の権利保障と費用負担の関係が問われた際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和29(あ)4166 / 裁判年月日: 昭和30年4月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人に訴訟費用の負担を命じることは、憲法37条2項後段が規定する証人喚問権等の保障に反しない。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件において有罪の判決を受け、併せて訴訟費用の負担を命じられた。これに対し、被告人側は、被告人に訴訟費用を負担させることは、憲法37条2項後段が保障する被告人の権利を侵害…