他人所有の土蔵の構成部分たる屋根の一部を所有者の承諾なくして切断するときは、建造物損壊罪が成立するとした原判示は正当である。
建造物損壊罪の成立する事例。
刑法260条
判旨
本判決は、弁護人が主張する憲法違反及び判例違反について、いずれも刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないと判断し、職権調査によっても同法411条の破棄事由を認めず上告を棄却した。
問題の所在(論点)
弁護人が主張する事由が、刑事訴訟法405条に規定される適法な上告理由(憲法違反・判例違反)に該当するか。また、同法411条を適用して職権により原判決を破棄すべき事情があるか。
規範
刑事訴訟法405条の上告理由(憲法違反、判例違反)については、実質的に単なる法令違反や事実誤認の主張にすぎない場合は適法な上告理由とはならない。また、同法411条による職権破棄は、著しく正義に反すると認められる特段の事情がある場合に限定される。
重要事実
被告人が原判決に不服を申し立て、弁護人を通じて最高裁判所に上告した事案である。弁護人は、原判決には憲法違反及び判例違反がある旨を主張して上告を申し立てた。
あてはめ
弁護人が引用した判例は本件と事案を異にするため適切ではない。所論はいずれも実質的には単なる法令違反及び事実誤認の主張にとどまり、原判決の判断は正当であると認められる。したがって、適法な上告理由を備えていない。さらに、記録を精査しても、職権で原判決を破棄すべき重大な事由(411条各号)は認められない。
結論
本件上告は理由がないため棄却される。原判決の判断は維持される。
実務上の射程
上告審において、実質的に事実誤認や単なる法令違反を争う主張を憲法違反・判例違反という形式で構成しても、上告理由として認められないことを示す。実務上、上告趣意書の作成において理由の峻別が求められることを示唆する。
事件番号: 昭和26(れ)413 / 裁判年月日: 昭和26年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法405条の上告理由に該当せず、かつ同法411条を適用して職権で判決を取り消すべき事由も認められない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人が原判決に対し上告を申し立てた事案である。弁護人が提出した上告趣意書の内容に基づき、最高裁判所がその理由の有無および職権破棄事由の…
事件番号: 昭和26(れ)507 / 裁判年月日: 昭和26年6月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告理由が刑訴法405条の規定に該当せず、かつ記録を精査しても同法411条を適用して職権で原判決を破棄すべき事由も認められないとして、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:本件において弁護人が主張した上告趣意は、刑訴法405条が規定する上告理由には該当しなかった。また、最高裁判所が…
事件番号: 昭和44(あ)2262 / 裁判年月日: 昭和47年4月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】検察官による上告理由のうち、憲法28条違反の主張は実質的な事実誤認または単なる法令違反にすぎず、判例違反の主張も事案を異にするため、刑訴法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:検察官が、被告人らによる行為の正当性に関する判断に憲法28条(労働基本権)違反および判例違反があるとして上告…
事件番号: 昭和26(れ)2177 / 裁判年月日: 昭和27年2月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本判決は、事実誤認および量刑不当の主張は刑事訴訟法405条の上告理由に該当しないことを示し、かつ職権破棄事由の存否を判断したものである。 第1 事案の概要:被告人両名の弁護人が、事実誤認および量刑不当を理由として上告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):事実誤認および量刑不当の主張が…