一 原判示は正当である。 二 (註。原判決要旨)覚せい剤を譲り受けた者が、時間的空間的関係において格別の推移変動が認められない状態においてこれを所持するときは、その所持を譲受に随伴する必然的結果として譲受行為に包括吸収せられるものと解すべきであろうが、譲受後における所持に若干の時間的推移と空間的変動とを来たし、社会通念上新たな所持が開始されたと目される場合には、もはや、これを以つて譲受行為に包括せられるものということはできない。
覚せい剤の譲受行為とその所持とを別罪と認定する場合
覚せい剤取締法14条,覚せい剤取締法17条3項
判旨
本件は、上告理由が事実誤認、法令違反、または量刑不当の主張に留まる場合、刑事訴訟法405条所定の上告理由には当たらないとして、上告を棄却したものである。
問題の所在(論点)
上告人が主張する事実誤認、法令違反、および量刑不当の主張が、刑事訴訟法405条の上告理由に該当するか、あるいは同法411条(職権による破棄事由)を適用すべき事情があるか。
規範
刑事訴訟法405条の各号に規定された事由(憲法違反、判例違反等)に該当しない、単なる事実誤認、法令違反、または量刑不当の主張は、適法な上告理由とはならない。
重要事実
上告人は、原判決に対し上告を申し立てたが、その趣意は事実誤認、法令違反、および量刑不当を主張するものであった(具体的な犯行事実等の詳細は判決文からは不明)。
あてはめ
上告人の主張は事実誤認、法令違反、量刑不当の主張に留まり、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない。また、記録を精査しても、同法411条を適用して職権で判決を破棄すべき顕著な正義に反する事情も認められない。
結論
本件上告は刑事訴訟法405条の上告理由を欠くため、同法414条・386条1項3号により棄却される。
実務上の射程
実務上、最高裁判所への上告が適法とされるためには、憲法違反や判例違反といった限定的な事由が必要であることを再確認する事例である。答案作成においては、上告審の構造(事後審的性格)を説明する際の補足的な根拠として用いるに留まる。
事件番号: 昭和53(あ)1251 / 裁判年月日: 昭和54年7月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件各上告は、判例違反や法令違反、量刑不当を主張するものであるが、実質的には事実誤認や単なる法令違反に留まり、刑事訴訟法405条所定の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:検察官および被告人の弁護人がそれぞれ上告を申し立てた。検察官は判例違反を主張の形式として含んでいたが、その実質は事実誤認…