判旨
単独制の地方裁判所裁判官が下した忌避申立却下裁判に対する不服申立ては、刑事訴訟法429条1項に基づき準抗告の方法によるべきであり、また、食糧管理法は国民の生活条件を安定させる趣旨から憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
地方裁判所の裁判官一人がなした忌避申立却下の裁判に対する適切な不服申立方法、および食糧管理法の憲法適合性。
規範
地方裁判所の裁判官一人が行った忌避申立却下の裁判に対する不服申立ては、刑事訴訟法429条1項の準抗告によるべきであり、同法25条の即時抗告をすることはできない。不適法な不服申立てがなされた場合、抗告審は理由の有無にかかわらず棄却しなければならない(同法426条、432条)。
重要事実
申立人は、地方裁判所の一人の裁判官がなした忌避申立却下の裁判に対し、名古屋高等裁判所へ即時抗告を申し立てた。原審(高等裁判所)はこれを棄却したため、申立人は食糧管理法の違憲等を理由に最高裁判所へ特別抗告を行った。
あてはめ
申立人が選択した即時抗告は、準抗告によるべき本件においては不適法である。しかし、抗告審においては、申立てが不適法な場合も理由がない場合も、刑事訴訟法426条および432条に基づき「棄却」という形式の裁判がなされる。したがって、原審が抗告を棄却した結論は正当である。また、食糧管理法は国民全般の福祉と生活安定を目的とするものであり、憲法に違反しないとする判例は現在も維持されるべきである。
結論
本件即時抗告は不適法であり、原審の棄却決定は正当である。また、食糧管理法は合憲であるため、特別抗告を棄却する。
実務上の射程
裁判官一人による裁判に対する不服申立てが、即時抗告(裁判所に対するもの)ではなく準抗告(裁判官に対するもの)の対象であることを明確にする実務上の指針となる。
事件番号: 昭和31(し)10 / 裁判年月日: 昭和31年6月5日 / 結論: 棄却
地方裁判所の一人の裁判官が刑訴第二四条によりした忌避申立却下の裁判に対し地方裁判所に即時抗告の申立があつた場合には、同裁判所は刑訴第四二六条第一項前段により不適法として右抗告を棄却すべきものである。
事件番号: 昭和31(し)34 / 裁判年月日: 昭和31年10月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が刑事訴訟法312条2項に基づき予備的訴因の追加を命ずることは、審理が相当程度進捗した段階で行われる限り、直ちに不公平な裁判をするおそれがあるとは認められず、裁判官の忌避事由(刑訴法21条1項)を構成しない。 第1 事案の概要:傷害致死等被告事件の第一審において、裁判所(合議体)が主たる訴因…
事件番号: 昭和38(し)33 / 裁判年月日: 昭和39年3月12日 / 結論: 棄却
刑訴法第二二条は、憲法第三七条第一項に違反しない。
事件番号: 昭和49(し)112 / 裁判年月日: 昭和49年12月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判官の忌避申立てを却下した裁判に対しては即時抗告が許されないため、当該申立てを準抗告の趣旨と解釈して処理すべきである。 第1 事案の概要:被告人側が裁判官の忌避申立てを行ったが、これが却下された。これに対し、被告人側は「即時抗告」と題する書面をもって不服を申し立てた。原審は、この即時抗告と題され…
事件番号: 昭和59(し)53 / 裁判年月日: 昭和59年5月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】地方裁判所の一人の裁判官が刑事訴訟法24条に基づき行った忌避申立却下の決定に対し、不服を申し立てる手段は、同法429条1項所定の準抗告によるべきであり、同法25条所定の即時抗告をすることはできない。 第1 事案の概要:抗告人は、地方裁判所の一人の裁判官に対して裁判官忌避の申立てを行った。これに対し…