一 原審の決定要旨 控訴審において控訴棄却の判決の宣告があり、禁錮以上の刑に処する旨の第一審判決が維持せられた場合においては第一審判決宣告後のいわゆる再保釈はその効力を失うものと解すべきである。 二 当審の決定 論旨は違憲をいうが、その実質は結局刑訴三四三条の解釈、適用に関する原審の見解(右法条に対する原審の解釈、適用は相当である)を非難するに帰着し、刑訴四三三条の特別抗告理由に該当しない。
控訴棄却の判決と再保釈の効力
刑訴法343条,刑訴法404条
判旨
禁錮以上の刑に処する判決の宣告があった場合、その宣告により保釈の効力が当然に失効すると定めた刑事訴訟法343条の規定は憲法に違反せず、その適用は相当である。
問題の所在(論点)
禁錮以上の刑に処する判決の宣告により保釈が失効すると規定する刑事訴訟法343条の合憲性、および同条の解釈・適用の妥当性。
規範
刑事訴訟法343条の規定に基づき、禁錮以上の刑を処する判決の宣告があったときは、それまで継続していた保釈の効力は法律上当然に失効する。
重要事実
被告人に対し禁錮以上の刑を処する判決が宣告されたことにより、保釈の効力が失われたことについて、被告人側が同法343条の解釈および適用は違憲であるとして特別抗告を申し立てた。
事件番号: 昭和63(し)118 / 裁判年月日: 昭和63年12月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法89条3号が定める、常習犯であることを理由とする権利保釈の除外事由は、憲法違反ではない。常習性の有無や犯罪の軽重に基づき除外事由を定めることは立法政策の問題に属する。 第1 事案の概要:被告人が刑事訴訟法89条3号(常習犯による権利保釈の除外)の規定を適用されたことに対し、同条項が憲法に…
あてはめ
最高裁判所は、刑の宣告に伴う保釈の失効について定めた刑事訴訟法343条の解釈および適用について、原審の判断(同条を適用して保釈失効を認めた判断)は相当であるとした。申立人の主張は実質的に単なる法令解釈の不服にすぎず、憲法違反の事由には当たらない。
結論
本件特別抗告は棄却され、刑の宣告による保釈の失効は維持された。
実務上の射程
実務上、禁錮以上の刑の言渡しがあった際には、裁判所の裁量を待たず当然に保釈の効力が失われることを確認する際の根拠となる。答案上は、保釈の終期や失効原因に関する論点において、本条の文言通り当然失効を認める判例の立場として引用できる。
事件番号: 昭和27(し)21 / 裁判年月日: 昭和28年7月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴棄却決定に対する異議申立期間を徒過した場合であっても、自己等の責に帰すべからざる事由があるときは、上訴権回復の規定を準用して異議権の回復を請求できるが、その請求なしに単になされた異議申立は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は麻薬取締法違反で有罪判決を受け控訴したが、指定された期間内に控訴…
事件番号: 昭和55(し)108 / 裁判年月日: 昭和55年9月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】保釈の取消しおよび保釈保証金の没取を決定するに際し、被告人等に陳述の機会を与えなくても、憲法13条および29条に違反しない。 第1 事案の概要:本件において、裁判所は被告人の保釈を取消し、あわせて保釈保証金の全部または一部を没取する決定を下した。これに対し、申立人(抗告人)は、当該決定を行うに際し…
事件番号: 昭和29(し)27 / 裁判年月日: 昭和29年6月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】有罪判決の確定により未決勾留はその効力を失うため、勾留期間更新決定の当否を争う特別抗告は、不服申立ての利益を欠き不適法となる。 第1 事案の概要:申立人は窃盗被告事件に関し、名古屋高等裁判所で控訴棄却の有罪判決を受けた。これに対し上告受理の申立てを行ったが受理されず、昭和29年5月14日に原判決が…
事件番号: 昭和27(し)42 / 裁判年月日: 昭和33年5月26日 / 結論: 棄却
刑訴規則第二一六条、第二二二条の規定は第一審における刑訴第二八四条、第二八五条第一、二項にあたる事件に関するものであつて、控訴審には準用のない規定である