食糧管理法が憲法第二二条違反でないことは当裁判所判例の趣旨とするところである(最高裁判所判例集二巻一〇号一二三六頁、同四巻二号九一頁、同四巻一一号二三九〇頁参照)。
食糧管理法は憲法第二二条に違反するか
食糧管理法1条,憲法22条
判旨
食糧管理法による職業選択の自由の制限は、公共の福祉に適合するものであり、憲法22条に違反しない。
問題の所在(論点)
食糧管理法による職業活動の制限が、憲法22条1項(職業選択の自由)に違反し違憲といえるか。
規範
職業選択の自由(憲法22条1項)は絶対無制限なものではなく、公共の福祉のために必要な制限を受ける。経済的自由に関する規制が公共の福祉に適合するか否かは、その制限の目的および態様を総合的に考慮して判断される。
重要事実
上告人が食糧管理法違反で起訴された事案において、弁護人は同法が憲法22条に違反し違憲であると主張した。具体的な違反行為の内容や経緯、適用条文の詳細については、本判決文からは不明である。
あてはめ
最高裁判所は、過去の累次の判例(最大判昭23.9.29等)を引用し、食糧管理法による規制が憲法22条に違反しないという判断枠組みを維持した。同法は、食糧の需給を調節し国民生活の安定を図るという公共の福祉を目的とした合理的な制限であると解される。
結論
食糧管理法は憲法22条に違反しないため、上告を棄却する。
実務上の射程
経済的自由、特に職業選択の自由に対する制限が合憲とされる典型例の一つである。判例法理としては、経済的自由の制限については立法府の裁量を尊重し、公共の福祉による制約を広く認める傾向を示す初期の重要判例として位置づけられる。
事件番号: 昭和29(あ)1153 / 裁判年月日: 昭和29年10月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】食糧管理法による食糧の配給制や価格統制等の制限は、公共の福祉のために必要な制限であって、憲法25条や憲法29条等に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は食糧管理法違反の罪で起訴された。弁護人は、食糧管理法による食糧の統制が憲法に違反する旨を主張し、上告した。 第2 問題の所在(論点):食糧管理法…