判旨
最高裁判所の上告棄却の決定に対し、決定の訂正を申し立てることは許されず、不適法である。
問題の所在(論点)
最高裁判所がした上告棄却の「決定」に対し、刑事訴訟法415条1項の「判決」の訂正に準ずる申立てが認められるか。また、異議の申立てとしての適法性が認められるか。
規範
最高裁判所の決定に対しては、判決の訂正(刑事訴訟法415条)の規定を準用または類推適用して訂正の申立てをすることは認められない。また、異議の申立て(刑事訴訟法428条2項等)として構成する場合であっても、法定の申立期間(3日)を遵守する必要がある。
重要事実
窃盗被告事件に関し、最高裁判所が昭和30年2月9日に行った上告棄却の決定に対し、申立人が訂正の申立てを行った。なお、当該申立ては、上告棄却の決定から3日以上が経過した後になされたものであった。
あてはめ
まず、判例によれば、最高裁判所の「決定」に対する訂正の申立ては法的に許容されない。本件申立ては上告棄却の決定を対象とするものであり、不適法である。次に、仮に本件申立てを異議の申立てと解したとしても、決定があった日から3日の期間を経過した後に申し立てられているため、期間徒過により不適法といえる。
結論
本件申立ては不適法であり、棄却されるべきである。
実務上の射程
最高裁の決定(判決ではなく決定)に対しては訂正の申立てができないという手続的限界を明示したものである。実務上、上告棄却決定に対する不服申立ての手段は極めて限定的であり、異議の申立てを検討する場合も極めて短い期間制限(3日)に服することに留意が必要である。
事件番号: 昭和30(す)198 / 裁判年月日: 昭和30年6月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が刑訴法414条、386条1項3号に基づき上告を棄却した決定に対しては、同法415条に基づく判決の訂正の申立をすることは許されない。 第1 事案の概要:最高裁判所は、刑訴法414条、386条1項3号に基づき、申立人の上告を棄却する決定を下した。これに対し、申立人は当該決定の訂正を求めて申…
事件番号: 昭和28(す)246 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の決定に対して判決訂正の申立てをすることは、刑事訴訟法417条1項の類推適用等によっても認められず、理由がないものとして棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所による上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」と題する書面を提出した。その実質的内容は、当該上告棄却決定の訂正…
事件番号: 昭和28(す)244 / 裁判年月日: 昭和28年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却決定に対して判決の訂正を申し立てることは、刑事訴訟法415条1項の「判決」には当たらないため、同法417条1項に基づき認められない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所が行った上告棄却の決定に対し、「決定に対する異議申立書」という標題の書面を提出した。その実質的な内容は、当…
事件番号: 昭和27(す)438 / 裁判年月日: 昭和27年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】判決内容に誤りがあるとして提起された訂正の申立について、裁判所の検討の結果、前示裁判に誤りが認められない場合には、刑事訴訟法417条1項に基づき申立を棄却すべきである。 第1 事案の概要:本件は、最高裁判所が既に行った裁判に対し、申立人が別紙(判決文上は省略)記載の趣旨に基づいて判決の訂正を申し立…
事件番号: 昭和28(す)536 / 裁判年月日: 昭和28年11月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所がなした上告棄却の決定に対しては、抗告をすることが許されないだけでなく、これに代わる異議の申立てをすることも許されない。 第1 事案の概要:申立人は、最高裁判所がなした上告棄却の決定(刑訴法414条、386条2項)に対し、不服として異議の申立てを行った。なお、具体的な事案の内容については…