判旨
最高裁判所がした上告棄却の「決定」に対しては、判決の訂正の申立て(刑事訴訟法415条1項準用)をすることは許されず、また異議の申立て(同法414条、385条2項等)としても期間経過後は不適法となる。
問題の所在(論点)
最高裁判所による上告棄却の「決定」に対し、刑事訴訟法415条1項所定の「判決」の訂正の申立てに準じた不服申立てが可能か。また、異議の申立てとして許容されるための期間要件が問題となる。
規範
最高裁判所がした上告棄却の決定に対しては、判決の訂正の申立てを行うことはできない。また、決定に対する不服申立てを異議の申立てと解する場合であっても、法定の期間(3日)を経過した後になされたものは不適法となる。
重要事実
被告人に対する公職選挙法違反事件において、最高裁判所が昭和30年2月4日に上告棄却の決定を下した。これに対し、申立人らが当該決定の訂正を求めて申立てを行った。なお、当該申立ては決定から3日以上が経過した後になされたものであった。
あてはめ
本件申立ては上告棄却の「決定」に対するものであるところ、最高裁判所の判例によれば、決定に対する訂正の申立ては認められない。仮にこれを異議の申立てと性質決定したとしても、決定があった日から3日の期間を経過した後に申し立てられている。したがって、いずれの形式としても不適法な不服申立てであると評価される。
結論
本件訂正の申立ては不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
最高裁の終局的判断のうち、判決ではなく「決定」の形式でなされたもの(上告棄却決定等)に対する救済手段の限界を示す。実務上、決定に対する不服申立ては極めて限定的であり、期間徒過は致命的な欠陥となることを強調する際に参照すべき判例である。
事件番号: 昭和30(す)47 / 裁判年月日: 昭和30年2月23日 / 結論: 棄却
刑訴第四一四条、第三八六条第一項第三号により上告を棄却した最高裁判所の決定に対しては、同第四一四条、第三八六条第二項により異義の申立をすることができるが、訂正の申立をすることは許されない。
事件番号: 昭和45(み)6 / 裁判年月日: 昭和45年4月28日 / 結論: 棄却
判決に反対意見を付した裁判官が、判決訂正申立棄却決定にも同一反対意見を付した事例。
事件番号: 昭和30(す)198 / 裁判年月日: 昭和30年6月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が刑訴法414条、386条1項3号に基づき上告を棄却した決定に対しては、同法415条に基づく判決の訂正の申立をすることは許されない。 第1 事案の概要:最高裁判所は、刑訴法414条、386条1項3号に基づき、申立人の上告を棄却する決定を下した。これに対し、申立人は当該決定の訂正を求めて申…
事件番号: 昭和43(み)6 / 裁判年月日: 昭和43年5月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法417条1項に基づく判決訂正の申立について、判決の内容に誤りがないと認められる場合には、申立を棄却する。 第1 事案の概要:申立人は、公職選挙法違反被告事件についてなされた最高裁判所の上告棄却判決(昭和43年4月3日宣告)に対し、内容に誤りがあるとして判決訂正の申立を行った。 第2 問題…
事件番号: 昭和30(す)46 / 裁判年月日: 昭和30年3月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所の上告棄却の決定に対し、決定の訂正を申し立てることは許されず、不適法である。 第1 事案の概要:窃盗被告事件に関し、最高裁判所が昭和30年2月9日に行った上告棄却の決定に対し、申立人が訂正の申立てを行った。なお、当該申立ては、上告棄却の決定から3日以上が経過した後になされたものであった。…