判旨
予審主任判事がその後の公判や裁判に関与することは、直ちに憲法違反とはならず、また特別抗告の適法な理由にも当たらない。
問題の所在(論点)
予審主任判事が同一事件の公判審理・判決に関与することが、憲法に抵触するか。また、これが特別抗告の適法な理由となるか。
規範
最高裁判所に対する抗告は、訴訟法に特段の定めがある場合、または憲法違反・憲法解釈の誤りがある場合に限定される(刑訴応急措置法18条参照)。
重要事実
被告人が、予審終結決定を行った予審主任判事が原審の公判および裁判に関与したことを不服として、憲法違反を理由に即時抗告(特別抗告)を申し立てた事案。
あてはめ
申立人は予審主任判事の公判関与が違憲であると主張するが、原決定において憲法上の判断はなされていない。単に予審に関与した裁判官が公判に関与したという事実は、刑訴法上の除斥事由等の問題になり得るとしても、直ちに憲法に抵触する事項とは評価できず、特別抗告の要件を充足しない。
結論
本件申立は、最高裁判所に対する抗告が許される特段の事情(憲法違反等)を具えていないため、不適法として棄却される。
実務上の射程
裁判官の除斥(刑訴法20条各号)の趣旨を検討する際、前審関与の制限が憲法上の要請(公平な裁判所の構成)にどこまで直結するかを判断する材料となる。憲法違反と訴訟法上の手続違背を区別する実務的視点を示す。
事件番号: 昭和28(し)74 / 裁判年月日: 昭和29年3月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、直接抗告を申し立てることはできない。また、特別抗告として申し立てる場合であっても、その理由が再審事由等の法定された事由に該当しない限り不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、旧刑事訴訟法510条に基づき、最高裁判所に対して即時抗告を申し立…
事件番号: 昭和40(し)18 / 裁判年月日: 昭和43年4月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求の手続きにおいて、旧刑訴法509条に従い書面によって請求人および検察官の意見を求めた場合には、憲法31条に違反しない。また、自白の任意性・真実性を欠くという主張が再審事由に該当しない旨の判断は、適法な特別抗告の理由にはならない。 第1 事案の概要:請求人は、再審請求を棄却した原決定に対し、…
事件番号: 昭和32(し)49 / 裁判年月日: 昭和32年10月23日 / 結論: 棄却
再審請求人が裁判所の求意見に対し現実に意見書を提出した場合のみならず、裁判所が再審を請求した者に対し意見を求め、且つその意見の申述につき相当期間をおいたにも拘らず、請求人から遂に意見を申述しなかつた場合も、刑訴規則二八六条にいう意見を聴いた場合に該る。
事件番号: 昭和26(し)105 / 裁判年月日: 昭和28年7月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、刑訴応急措置法などの特別の規定により許容される場合を除き、抗告を申し立てることはできない。また、再審請求等において新証拠の提示もなく事実認定を争うのみでは、適法な特別抗告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人は、原確定判決が認定した自らの性行、死因、犯行の原因、動機、お…
事件番号: 昭和56(し)154 / 裁判年月日: 昭和58年11月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求における「明らかな証拠」(刑訴法435条6号)の判断について、原決定が特定の不当な見解に立っていない限り、単なる法令違反や事実誤認の主張は特別抗告の理由に当たらない。 第1 事案の概要:本件は、刑訴法435条6号に基づき再審請求を行った抗告人が、原決定(再審請求を棄却したものと推認される)…