再審請求人が裁判所の求意見に対し現実に意見書を提出した場合のみならず、裁判所が再審を請求した者に対し意見を求め、且つその意見の申述につき相当期間をおいたにも拘らず、請求人から遂に意見を申述しなかつた場合も、刑訴規則二八六条にいう意見を聴いた場合に該る。
刑訴規則第二八六条の法意
刑訴規則286条
判旨
刑事訴訟法第433条に基づく特別抗告において、実質的に単なる法令違反や事実誤認を主張するものは、適法な抗告理由に当たらない。また、刑訴規則286条の規定に関する原判断は正当である。
問題の所在(論点)
特別抗告において、形式的に憲法違反や判例違反を主張していても、その実質が単なる法令違反や事実誤認に過ぎない場合に、適法な抗告理由として認められるか。また、刑訴規則286条の解釈の正当性。
規範
特別抗告(刑訴法433条)は、憲法違反または最高裁判例との相反を理由とする場合に限り許容される。実質的に単なる法令違反や事実誤認を主張するものは、特別抗告の適法な理由とはならない。
重要事実
申立人は憲法違反および判例違反を理由として特別抗告を申し立てた。原審(判決文からは具体的な事件内容は不明)は刑訴規則286条の規定に基づき、申立人の請求を退ける旨の判断を示していた。
事件番号: 平成3(し)43 / 裁判年月日: 平成3年6月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張して特別抗告がなされた場合であっても、その実質が単なる法令違反の主張にすぎないときは、刑事訴訟法433条の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し憲法11条、31条、32条違反を主張して特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の具体的な内容は、実質的には法令の…
あてはめ
申立人の主張は憲法違反や判例違反を標榜しているが、その実質的な内容は単なる法令違反や事実誤認の指摘にとどまる。したがって、刑訴法433条が定める限定的な不服申立事由に該当しない。また、刑訴規則286条(異議の申立期間等)に関する原審の判断も法的に正当であると認められる。
結論
本件特別抗告は理由がなく、棄却されるべきである。
実務上の射程
特別抗告の理由を厳格に解する実務運用を裏付けるものである。形式的な憲法違反の主張があっても、実質が法令違反・事実誤認であれば門前払いされることを示唆しており、答案上は特別抗告の要件検討の際に引用し得る。
事件番号: 昭和43(し)34 / 裁判年月日: 昭和43年11月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、実質的に単なる訴訟法違反を主張するものは、同条所定の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人が刑事訴訟法433条に基づき特別抗告を申し立てた事案。抗告人はその理由として憲法違反を主張していたが、その主張の実質は訴訟法違反を指摘するものであった。…
事件番号: 昭和28(し)74 / 裁判年月日: 昭和29年3月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、直接抗告を申し立てることはできない。また、特別抗告として申し立てる場合であっても、その理由が再審事由等の法定された事由に該当しない限り不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、旧刑事訴訟法510条に基づき、最高裁判所に対して即時抗告を申し立…
事件番号: 昭和29(し)63 / 裁判年月日: 昭和29年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法施行法2条に基づき旧刑事訴訟法が適用される事件において、最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟法応急措置法18条等の特別の規定がある場合に限り許容される。本件は当該規定に定められた理由を主張するものではないため、不適法として棄却されるべきである。 第1 事案の概要:本件は旧刑事訴訟法が適用さ…
事件番号: 昭和28(し)94 / 裁判年月日: 昭和29年1月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所のなした再審請求棄却決定に対しては異議の申立てが可能であるため、これに対する特別抗告は不適法である。 第1 事案の概要:福岡高等裁判所に対し再審請求がなされたが、同裁判所はその請求を棄却する決定を下した。これに対し、請求人が最高裁判所に対して特別抗告を申し立てた事案である。 第2 問題の…