いやしくも米穀の形態をそなえ、食糧に供することができるものである限り、食糧管理法二条にいう主要食糧たる米穀に該当し、その品質等級の如何を問わないものであること当裁判所の判例に徴し明らかである。(昭和三〇年(あ)第一九六九号、同三二年七月三〇日第三小法廷決定)
食糧管理法第二条にいう主要食糧たる米穀
食糧管理法2条,食糧管理法9条,食糧管理法31条
判旨
食糧管理法2条にいう「主要食糧たる米穀」とは、米穀の形態をそなえ、食糧に供することができるものである限り、その品質や等級の如何を問わない。
問題の所在(論点)
食糧管理法2条にいう「主要食糧たる米穀」の意義が問題となり、特に変質米が混入している場合に、その品質や等級の如何によって同条の該当性が否定されるか。
規範
「主要食糧たる米穀」に該当するか否かは、いやしくも米穀としての形態をそなえ、かつ、食糧に供することができるものであるか否かによって決せられる。その品質や等級が良好であるか、あるいは劣悪であるかは、当該定義の充足を左右するものではない。
重要事実
被告人が取り扱った米穀には、約1割の変質米が混入していた。しかし、全体として観察した場合には、普通一般に配給される米と大きな差異は認められない状態であった。
あてはめ
本件米穀は、約1割の変質米を含んでいたものの、全体としては普通一般に配給される米と大差ない状態であった。これは、米穀としての形態を維持しており、かつ食糧に供することが可能な状態にあるといえる。したがって、品質が完全でないとしても、同法にいう「主要食糧たる米穀」に該当すると評価される。
結論
本件米穀は食糧管理法2条の「米穀」に該当する。したがって、品質や等級を理由に同条の適用を否定することはできない。
実務上の射程
行政取締法規における目的物の定義について、その機能(食糧としての供用)と客観的形態を重視する判断枠組みを示している。品質の劣悪さを理由とする構成要件該当性の否定を厳格に制限する際に参照すべき判例である。
事件番号: 昭和29(あ)990 / 裁判年月日: 昭和31年3月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】食糧管理法における「主要食糧」の定義に関し、いわゆる「くず米」であっても、同法にいう米穀(主要食糧)に該当すると認定した原判決の判断を適当とした。 第1 事案の概要:被告人が「くず米」を扱った行為につき、食糧管理法違反で起訴された事案。被告人側は、本件の対象物は「くず米」であり、同法にいう「主要食…