判旨
食糧管理法における「主要食糧」の定義に関し、いわゆる「くず米」であっても、同法にいう米穀(主要食糧)に該当すると認定した原判決の判断を適当とした。
問題の所在(論点)
食糧管理法にいう「主要食糧」たる米穀に、いわゆる「くず米」が含まれるか。また、撤回された証拠を除外したとしても有罪の心証が得られる場合に、刑訴法411条の適用があるか。
規範
法規の解釈において、特定の品目が規制対象となる「主要食糧」に該当するか否かは、その実態に基づき適法な証拠によって判断されるべきであり、形状や通称によって直ちに規制から除外されるものではない。
重要事実
被告人が「くず米」を扱った行為につき、食糧管理法違反で起訴された事案。被告人側は、本件の対象物は「くず米」であり、同法にいう「主要食糧」には含まれないと主張して、原審の事実認定および法令適用の誤りを訴え上告した。
あてはめ
原判決は適法な証拠に基づき、本件の米が食糧管理法にいう主要食糧たる米穀に該当すると認定している。被告人の主張は単なる独自の解釈にすぎず、原審の認定を覆すに足りない。また、証人Aの供述調書は同意が得られず検察官により撤回されているが、当該証拠を排除してもなお有罪の心証は十分に得られるため、著しい正義に反するような法令違反等は認められない。
結論
本件の米はいわゆる「くず米」であっても同法の「主要食糧」に該当し、原判決の認定は相当である。したがって、上告を棄却する。
実務上の射程
行政規制法規における対象物の定義が争点となる際、実態に基づいた事実認定の重要性を示す。刑事訴訟法上は、一部の証拠が排除されても他の証拠により有罪の心証が維持できる場合には、職権破棄事由(411条)に当たらないとする判断枠組みとして活用できる。
事件番号: 昭和30(あ)1969 / 裁判年月日: 昭和32年7月30日 / 結論: 棄却
等外玄米は食糧管理法上の米穀にあたる。