等外玄米は食糧管理法上の米穀にあたる。
等外玄米と食糧管理法上の米穀
食糧管理法2条,食糧管理法29条2項
判旨
食糧管理法における「米穀」には、同法に基づく検査規格に適合しない、いわゆる等外玄米も含まれると解するのが相当である。
問題の所在(論点)
食糧管理法上の「米穀」という概念に、農産物検査規格において等級外とされる「等外玄米」が含まれるか。法規の解釈を通じた罪刑法定主義の明確性の原則および法の適用範囲が争点となった。
規範
食糧管理法にいう「米穀」の意義については、同法の目的である主要食糧の需給および価格の安定という観点から、その文言を広く解すべきである。したがって、特定の等級格付けの有無にかかわらず、米としての実質を有するものは同法の規制対象となる「米穀」に該当する。
重要事実
被告人ら(被告人A、BおよびC株式会社)は、食糧管理法に基づく規制に違反する行為を行ったとして起訴された。被告人側は、本件で取り扱われた物品が「等外玄米」であることを理由に、それが同法にいう「米穀」には該当せず、その結果として処罰規定の適用も受けないと主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、原判決が詳細に判示した内容を是認した。等外玄米であっても、それが米としての性質を保持し、主要食糧としての流通実態や管理の必要性がある以上、食糧管理法の「米穀」に含まれる。等級は検査上の分類に過ぎず、米穀そのものの定義を限定するものではないため、被告人らの主張は前提を欠く。
結論
等外玄米も食糧管理法上の「米穀」に該当する。したがって、被告人らの行為について同法違反の成立を認めた原判決は正当であり、上告は棄却される。
実務上の射程
行政法規における用語の解釈において、目的論的解釈によりその対象範囲が確定される例として機能する。もっとも、食糧管理法自体が既に廃止(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律へ移行)されているため、現在の実務上は、行政刑法における「定義規定の解釈」の一般論として、法の趣旨に遡って検討する際の参考判例として位置づけられる。
事件番号: 昭和33(あ)659 / 裁判年月日: 昭和34年2月5日 / 結論: 棄却
農産物規格規程上、「規格外水粳玄米」に該当する玄米には、食糧管理法の適用がある。