量刑の事情に属する事情の判断については、犯罪を構成する事実に関する判断と異り必ずしも、刑訴法に定められた一定の方式に従い証拠調を経た証拠にのみよる必要のないことは当裁判所の判例とするところである(昭和二三年(れ)第一四一四号同二四年二月二二日第二小法廷判決)。
量刑の事情に属する事項の判断と証拠調
刑訴法317条
判旨
量刑の事情に属する事項の判断については、犯罪を構成する事実に関する判断とは異なり、必ずしも刑事訴訟法に定められた厳格な証明(証拠調を経た証拠)による必要はない。
問題の所在(論点)
量刑の基礎となる事実(量刑事情)の認定において、犯罪構成事実と同様に厳格な証明(証拠能力があり適法な証拠調べを経た証拠による証明)が必要か。
規範
量刑事情(刑の量定に関する事実)の判断については、犯罪構成要件に該当する事実の判断とは異なり、必ずしも刑事訴訟法が定める法式に従った証拠調べを経た証拠(厳格な証明)のみに依拠する必要はない。
重要事実
被告人が選挙人等への報酬供与等の公職選挙法違反に問われた事案において、第一審及び原審が事実認定を行った。弁護人は、量刑の資料として特定の電報訳文が用いられた点等について、証拠法則に反する旨を主張して上告した。
あてはめ
最高裁は、犯罪を構成する事実の認定には厳格な証明が必要であるとしつつ、量刑の事情に属する事項については、これと区別して考える。本件において所論の電報訳文が実際に量刑資料とされた事実は認められないが、仮に量刑資料とする場合であっても、刑訴法上の厳格な証拠調べの手続きを経た証拠のみによる必要はないと解される。
結論
量刑事情の認定には厳格な証明を要しない。したがって、証拠調べを経ていない資料を量刑判断に用いたとしても、直ちに違法とはならない。
実務上の射程
本判決は、自由な証明で足りる事実の範囲として「量刑事情」を挙げた重要判例である。答案上は、犯罪構成要件に該当する事実は厳格な証明を要する一方、情状に関する事実は自由な証明で足りるという原則を導く際に使用する。ただし、被告人に著しく不利益な情状(前科等)については、慎重な取り扱いを求める議論がある点に留意が必要である。
事件番号: 昭和28(あ)4213 / 裁判年月日: 昭和29年4月22日 / 結論: 棄却
所論原審認定の事実は、犯罪の日時、場所、金員の交付又は供与を受けたとする相手方及びその金額等の点において本件公訴事実と何等の差異もなく、ただ交付又は供与されたとする金員の趣旨について差異あるに止まり、両者間に基礎たる事実の同一性ありと認め得るばかりでなく、その罰条の点においても共に公職選挙法二二一条一項に該当し、単に五…