判旨
公職選挙法252条による選挙権・被選挙権の停止規定は憲法に違反しない。また、供述の任意性に疑いがない場合には、憲法38条違反の問題は生じない。
問題の所在(論点)
1. 公職選挙法252条による選挙権・被選挙権の停止規定は、憲法が保障する参政権を侵害し違憲か。 2. 任意性に疑いのある供述調書を証拠として採用することは憲法38条に違反するか。
規範
公職選挙法252条に規定される、選挙犯罪による選挙権・被選挙権の停止規定は、公共の福祉による必要かつ合理的な制限として、憲法に違反するものではない。また、自白の任意性については、供述に至る経緯や外部的状況に照らして判断される。
重要事実
被告人AおよびBを含む4名は、公職選挙法違反の罪に問われた。公判において、検察官に対する供述調書が任意になされたものではないとして、その証拠能力が争われた。また、公職選挙法252条に基づく被選挙権等の停止が違憲であると主張された。
あてはめ
1. 公職選挙法252条の合憲性については、昭和30年2月9日の大法廷判決の判例が示す通りであり、同条の規定は憲法に違反しない。 2. 本件における被告人AおよびBの検察官に対する各供述調書について検討するに、記録上、これら供述の任意性を疑わしめる事由は認められない。したがって、証拠能力を認めた原判決に憲法38条違反の過誤はない。
結論
公職選挙法252条は合憲であり、また供述の任意性に問題がない以上、本件各上告を棄却する。
実務上の射程
選挙犯罪に伴う資格制限の合憲性を肯定する判例として、短答式・論文式試験において公職選挙法の規定を確認する際に用いられる。自白の任意性については事実認定の次元であり、本判決自体が新たな判断枠組みを示したものではない。
事件番号: 昭和29(あ)1811 / 裁判年月日: 昭和30年5月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法252条が定める選挙権及び被選挙権の停止規定は、憲法に違反しない。これは過去の大法廷判決の趣旨を維持するものである。 第1 事案の概要:被告人が公職選挙法違反の罪に問われ、同法252条に基づき選挙権及び被選挙権の停止を命じられた。被告人側は、同条による権利制限が憲法に違反する旨を主張して…