所論の選挙運動の総括主宰者なる地位は、公職選挙法中に規定するところであり、犯情として被告人がこの地位にあつたことを認定しても違法ということはできない。
判決に犯情として選挙運動の総括主宰者なる地位を認定することは違法か
刑訴法335条1項
判旨
検察官に対する供述の任意性を疑うに足りない事情がある場合には、当該供述を有罪の証拠とすることは憲法36条や38条に違反しない。
問題の所在(論点)
共犯者の検察官に対する供述が、拷問に基づくものではなく任意性が認められる場合に、これを証拠とすることが憲法36条および38条に違反するか。
規範
自白の証拠能力(憲法38条2項、刑訴法319条1項)に関し、拷問等の不当な手段により得られた疑いがあるなど、任意性に疑いがある供述は証拠とすることができないが、客観的な状況や手続に照らして任意性が認められる場合には証拠とすることができる。
重要事実
被告人が公職選挙法違反等で起訴された事案において、弁護人は共犯者とされるAの検察官に対する供述が拷問に基づくものであると主張し、当該供述を有罪の証拠とした原判決には憲法36条(拷問及び残虐な刑罰の禁止)および憲法38条(黙秘権・自白強要の禁止)違反があると主張して上告した。
あてはめ
本件におけるAの検察官に対する供述の任意性について検討するに、原判決が詳細に説示するとおり、右供述の任意性を疑うに足りない事情が認められる。したがって、拷問に基づき自白が強要されたという弁護人の主張は前提を欠いており、証拠として採用することに憲法上の問題はないと解される。
結論
自白の任意性を疑うに足りない本件においては、憲法36条および38条違反の主張は理由がなく、当該供述を有罪の証拠としたことは正当である。
実務上の射程
自白の任意性の判断において、原審の事実認定に不合理がない限り、最高裁は任意性の判断を維持する。憲法違反を主張する際には、単なる抽象的な主張ではなく、供述過程の具体的態様を摘示する必要があることを示唆する。
事件番号: 昭和30(あ)884 / 裁判年月日: 昭和30年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の検察官に対する供述について、強制、拷問又は脅迫等による違法な事情が認められない場合には、憲法38条2項等に抵触する事由はなく、証拠能力を認めることができる。 第1 事案の概要:被告人らの検察官に対する供述(自白)の任意性が争われた事案。弁護人は、当該供述が強制、拷問、または脅迫等による違法…