判旨
被告人の人権を保障するための告知・聴聞手続の一環として、刑事訴訟法291条2項(現行3項)に定める罪状認否の手続が適法に履践されている場合、訴訟手続に憲法違反の違法は認められない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法291条2項(現行3項)に定める罪状認否等の手続が適法に行われたとされる場合において、なお訴訟手続に憲法違反等の上告理由が認められるか。
規範
被告人に対し起訴状の朗読後に陳述の機会を与える刑事訴訟法291条の手続は、被告人の防御権を保障する重要な手続である。裁判所が同条の定める手順に従い、被告人に対して自己の権利を保護する機会を適法に提供している限り、その訴訟手続に憲法違反や重大な法令違反は存在しない。
重要事実
被告人が第一審における訴訟手続の違反を主張し、特に刑事訴訟法291条2項(現行3項にあたる、起訴状朗読後の権利告知および陳述機会の付与)の手続等に関して憲法違反があるとして上告した事案。原審は、当該手続は適法に履践されたものと認定していた。
あてはめ
本件において、原審は刑事訴訟法291条2項(現行3項)の手続が適法に履践されたと認定している。この認定は正当であり、被告人に防御の機会が適切に与えられていたといえる。したがって、訴訟手続に違反があることを前提とする憲法違反の主張は、その前提を欠くものであり、採用し得ない。
結論
本件上告には刑訴法405条所定の上告理由は認められず、棄却されるべきである。
実務上の射程
刑事訴訟手続の適法性が争点となる際、特に罪状認否等の冒頭手続の履践が被告人の防御権保障(憲法31条等)の観点から充足されているかを確認するための先例として機能する。実務上は、適法な手続履践がある限り、手続違憲の主張は困難であることを示唆している。
事件番号: 昭和27(あ)333 / 裁判年月日: 昭和28年6月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法38条2項及び3項の違反を主張する上告理由は、原審で主張がなく判断を経ていない事項である場合、原則として適法な上告理由とはならないが、原判決の証拠関係に照らして事実誤認の疑いがない限り、憲法違反の主張は排斥される。 第1 事案の概要:被告人が第2の犯罪事実について、憲法38条2項(自白の強制禁…