判例違反の主張が欠前提とされた事例
判旨
道路交通法上の「駐車」の意義について、運転者が車両を離れて直ちに運転することができない状態にあるかを判断するにあたっては、車両を離れた時間の長短も考慮要素となり得る。
問題の所在(論点)
道路交通法における「駐車」の定義(2条1項18号後段)に関し、「運転者がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態」を認定する際に、運転者が車両を離れた時間の長短を考慮すべきか。
規範
道路交通法2条1項18号後段(旧法2条18号後段)にいう「運転者がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態」の該否を認定するにあたっては、運転者が車両を離れた時間の長短を一切考慮しないわけではなく、諸般の事情を総合して判断すべきである。
重要事実
被告人が車両を離れた状態において、道路交通法上の「駐車」に該当するかが争われた。具体的事案の詳細は本判決文(決定)からは不明であるが、原判決が「車両を離れた時間の長短」を考慮せずに駐車該当性を認定したかが上告審での争点となった。
あてはめ
最高裁は、原判決の趣旨を検討した結果、原判決は「直ちに運転することができない状態」を認定するにあたって、車両を離れた時間の長短を「およそ考慮すべきでない」と判断したものではないと認定した。すなわち、時間の長短も当然に考慮されるべき事情の一つであることを前提としつつ、本件の判断に不合理はないとした。
結論
車両を離れた時間の長短を考慮すべきでないとしたものではないことが判文上明らかであるため、判例違反には当たらない(上告棄却)。
実務上の射程
道路交通法上の「駐車」該当性を論じる際の解釈指針として機能する。答案上は、車両から離れた距離、用務の性質、鍵の有無などの事情に加え、「離れていた時間の長さ」も「直ちに運転できるか否か」の判断要素として挙げるべきことを示す射程を持つ。
事件番号: 昭和40(さ)7 / 裁判年月日: 昭和40年2月22日 / 結論: 破棄自判
道路交通法第四四条中、本件に適用されたのは三号であるが、同号には「横断歩道の手前の側端から前に五米以内の部分」とあつて、横断歩道の手前のみの駐車が禁止されているにすぎず、横断歩道を通過した先は、横断歩道の側端から五米以内の地点であつても、この規定の駐車禁止の対象とはなつていない。