公安委員会による駐車禁止規制が裁量の範囲を逸脱していないとして違憲(一一条〜一三条)の主張が欠前提とされた事例
憲法13条,道交法4条1項,道交法119条の2条1項1号
判旨
公安委員会による駐車禁止規制が、裁量の範囲を逸脱して定められた違法無効なものとは認められない場合には、当該規制に基づく処罰は憲法11条、12条、13条及び31条に違反しない。
問題の所在(論点)
公安委員会が行う道路交通法に基づく駐車禁止規制の適法性と、その裁量権の範囲。また、当該規制が憲法に違反するか否か。
規範
行政庁(公安委員会)に認められた裁量権の行使としての規制が適法か否かは、当該規制が裁量権の範囲を逸脱・濫用したものであるか否かによって判断される。具体的には、規制の目的、手段の合理性、必要性等を総合的に考慮し、その判断が著しく不合理であると認められない限り、当該規制は適法なものと解される。
重要事実
被告人は、兵庫県公安委員会が駐車禁止の規制を実施している道路において、当該規制に違反して車両を駐車した。これに対し、被告人は当該駐車禁止規制自体が公安委員会の裁量を逸脱した違法なものであり、これに基づく処罰は憲法(11条、12条、13条、31条)に違反すると主張して争った。
あてはめ
本件における兵庫県公安委員会の駐車禁止規制について検討するに、原審は当該規制が裁量権の範囲を逸脱して定められた違法無効なものとは認められないと判断した。最高裁もこの判断を相当と認め、特段の事情がない限り、行政の専門的・技術的判断に基づく交通規制は尊重されるべきであるとの立場を示した。したがって、裁量の逸脱を前提とする憲法違反の主張は、前提を欠くものと評価される。
結論
本件の駐車禁止規制は、公安委員会の裁量の範囲を逸脱した違法なものとは認められず、被告人の主張は上告理由に当たらない。したがって、本件上告を棄却する。
実務上の射程
行政上の交通規制が刑事罰の前提となっている場合において、当該規制(行政行為)の違法性を争う「行政行為の公定力と刑事裁判」の論点において、行政庁の裁量を尊重する判例として引用できる。ただし、本決定自体は簡潔な決定であるため、具体的な裁量判断の基準については他の重要判決(高田馬場事件等)を併せて参照すべきである。
事件番号: 昭和55(あ)602 / 裁判年月日: 昭和55年6月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所による証人採否の決定は、裁判所に与えられた広範な自由裁量に属する事項であり、その措置が裁量の範囲内にある限り、憲法32条(裁判を受ける権利)や37条2項(証人審問権)に違反しない。 第1 事案の概要:刑事被告人側が原審において証人尋問を求めたが、原裁判所はこれを不採用とする措置を講じた。これ…